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元教授、サバティカルでの海外滞在記 (1): ロサンゼルスへ(定年退職147日目)

夏休み中ということもあり(私は定年退職で年中休みですがw)、海外での滞在記を中心に執筆しています。今回から、2018 年にサバティカルで二度訪れたアメリカでの経験をご紹介します。最初は西海岸を南から北へ移動し、その後東海岸のボストンへと向かいました(その際に、先週ご紹介したベルギーやドイツ、フランスにも立ち寄りましたが、今回はアメリカ編です)。二度目は、共同研究をしていたテキサス州周辺を訪れました。


サバティカルとは、大学に貢献のあった教員に対する制度で、半年から1年間、教育や管理運営業務を免除され、研究活動に専念できるシステムです。大学教員にとって研究は極めて重要であり、研究を見つめ直すこのような期間は非常に貴重です。しかし、日本ではこの制度がまだ十分に定着しておらず、多くの大学では内規があっても運用されていないことが多いです。一方、海外では一般的な制度として広く活用されており、多くの教授が他大学での共同研究や著作活動に励んでいます。


私の場合は、大学と専攻の許可を得て、半年間のサバティカルを取得しました。4ヶ月間は国内と海外の大学を訪問し、講演やディスカッションを重ね、残りの2ヶ月間は海外から研究者を受け入れて共同研究を実施しました。 このnote では、数回にわたり、海外の大学訪問の体験記をお届けします。


初回の渡米(8/8〜)では、格安の世界一周チケット(通常の1/3の価格!)を利用したため(追記参照)、羽田から成田まで陸路移動の必要がありました。この日は天候不順で、なんと、羽田ー成田空港間の移動手段であるバス、JR特急、成田エクスプレスがすべて運転見合わせ! 普通列車を乗り継いでなんとか成田にたどり着き、最初からこの旅の困難さを実感しました。

<追記> この期間はお盆の時期で非常に混雑していたため、旅行会社に相談したところ世界一周チケットを提案されました。3大陸の訪問、同一都市への2回訪問不可など、いろいろな制約はありましたが、大幅な割引で助かりました。ただし、その制約のもう一つが、羽田から成田までの陸路移動だったのです。


成田空港からのフライトは離陸時に大きく揺れましたが、その後は順調に飛行し、ロサンゼルス空港に無事到着しました。しかし、期待していた西海岸特有の抜けるような青空とまぶしい太陽は見られず、到着時はあいにくの曇天でした(下写真)。実は、ロサンゼルス周辺で大規模な山火事が発生しており(夏の風物詩とのことでした)、「山一つが燃えている」との説明でした。日本の山火事とはスケールが違い驚きましたが、街まではまだ距離があるから大丈夫と笑っていました。

イメージしていた青空(写真は数日後のスタンフォード)
実際のロサンゼルスの山火事で煙った空

最初の訪問先は、カリフォルニア大学アーバイン校(UCI)でした。大学での講演後、いくつかの研究室を訪問し、興味深いディスカッションを行うことができました。招いてくれた教授とは、以前彼が日本を訪れた際にお寿司を楽しんだことがあり(特に奥様が金目鯛の煮付けに大感激)、今回は、カリフォルニアの名物料理でもてなしてくれました。

教授に翌日の休みのスケジュールを相談したところ、昼のサイエンスセンター訪問と、夜の野球観戦を提案されました。おかげで、サイエンスセンターではスペースシャトル「エンデバー」と、帰還時の印象的なパレードの写真を見ることができました(タイトル写真)。また、野球観戦では、当時エンゼルスに所属していた大谷選手のプレーを観戦することができました。


次回は、サイエンスセンターの詳細と野球場の様子、そして、西海岸を北上する旅の様子をお届けします。お楽しみに!


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