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「がっちりマンデー!!」新年会SPの深掘り: 社長たちが発掘する革新的ビジネス (元教授、定年退職298日目)

ここ数年、TBS の日曜朝の看板番組「がっちりマンデー!!」が毎年正月明けに放送する「スゴい社長大集合!新年会SP!」を楽しみにしています。この企画では、6人の社長が新年会に集まり、彼らの会社の紹介に始まり、注目している企業や取り入れている新しい取り組み・ソフトウェア、さらに日経平均予想を含む今年の経済予測を語ります。この企画は毎年大いに盛り上がり、1回の放送では収まらず、2〜3回にわたって放送されるほどの人気です。今年も3回にわたって放送されており、非常に興味深い内容となっています。現在2回目の放送を終わったところですが、その内容を報告いたします(タイトル写真、下写真:注1)。

第2回目タイトル(注1)


社長たちが過去に選んだ未来のトレンド

通常の放送とは異なり、この特番では社長たちが個人的に注目している企業や取り組みを紹介するため、まさに現在進行形の「生の声」が聞けるのが最大の魅力です。例えば、数年前には電動キックスケーターの「Luup」が取り上げられました。日本交通の川鍋会長が注目企業として紹介しましたが(ある意味、競争相手ともいえるでしょうが・・・)、当時、日本では電動キックスケーター自体がまだ珍しく、そのシェアリングサービスは特に話題を集めていました。私もアメリカを訪問時に広大なテキサス大学で同様のサービスを見かけ、「これだ!」と直感しました。(下写真もどうぞ)

電動キックスケーターの「Luup」(注2)


また、翻訳ソフトウェアの「DeepL」もここで紹介され、一足早くその存在を知ることができました。従来から翻訳ソフトは存在していましたが、実用性に欠けるものが多かった中、DeepL は当時まだ広く知られていなかった(少なくとも私の周りでは)AI を活用した翻訳で、その自然な訳文に驚かされました。専門分野での使用にはまだ物足りなかったものの、他分野の論文概要を素早く把握するには非常に役立ちましたし、多言語に対応している点も重宝しました。星野リゾートの星野代表が紹介したコインランドリー「ウォッシュプラス」は、洗剤を一切使わずにアルカリイオン水だけで洗濯できるため、アレルギー体質の方に優しいというメリットがあります。愛用者として元サッカー日本代表の都並選手がインタビューに答えていたのも印象的でした。(下写真もどうぞ)

DeepL(上)とコインランドリー「ウォッシュプラス」(下)(注2)


AI 落とし物捜索から荷物預かりシェアまで: 「がっちりマンデー」で知る最先端トレンド

今年取り上げられた企業の一つは、AI を使用して落とし物を捜索してくれる「find(ファインド)」です。私は幸い、財布やカード類を落とした経験はありませんが、いろいろな物をよく失くします(置き忘れる)。傘はその典型で、安いビニール傘は必ず持ち帰るのに、高価な傘ほど電車に忘れてしまうのです。その他、ブレザー、お土産など枚挙にいとまがありません。しかも、一度失くしてしまうと、探してもらったり回収したりするのが非常に手間でした。find は、管理用のクラウドサービスで、IT 技術を活用して落とし物の拾得、保管、返還などを効果的に行います。例えば、落とし物と類似した映像を提示することで、AI が情報を自動生成するそうです。ビジネスモデルは、管理を行う企業向けにサービスをサブスクリプション形式で提供するというもので、JR をはじめとする多くの鉄道・バス会社に導入されています。(下写真もどうぞ)

AI で落とし物を捜索してくれる「find」(注1)
JR 博多駅での具体例のひとつ(注1)


もう一つは、荷物預かりシェアリングサービス「ecbo cloak(エクボクローク)」です。私が住む大阪でも、近年、多くの外国人観光客を見かけますが、彼らは大きなスーツケースをいくつも持ち歩いており、コインロッカー不足に困っている様子をよく目にします(全国で1日17 万人以上も困っているというデータもあるそうです)。ecbo cloak は、一般商店の空きスペースを活用し、その場所をスマートフォンのアプリで検索出来るサービスを提供しています。荷物を預けたい観光客と、空きスペースで荷物を預かる店舗、双方にとってメリットのあるマッチングサービスと言えるでしょう。例えば、午前中のカラオケ店、カフェ、ゲストハウス、コワーキングスペース、シェアオフィス、漫画喫茶、着物レンタル店など、多岐にわたる場所で荷物預かりが行われています 。ロッカーに入らない大型の荷物、ベビーカー、スキー板、サーフボード、自転車などを預けるのに重宝するでしょう。2025 年大阪・関西万博の公式荷物預かりサービスにも選定されており、多くの来場者が ecbo cloak を利用することで、身軽に万博を楽しめることが期待されます。(下写真もどうぞ)

荷物預かりシェアリングサービス「ecbo cloak」(注1)
スマートフォンのアプリで預かり場所を検索出来る(注1)


トリドール社長が学んだタイミーの革新スタイル

2回目の放送では、社長が他の社長に密着し、彼らの仕事の秘訣を学ぶ企画が行われました。注目は、丸亀製麺で知られるトリドールの粟田社長が、36 歳年下のタイミー小川代表に密着した場面です。広いオフィスの一番端にある代表の席や社員とのメッセージのやり取り、ミーティングでのフランクな会話を通してどんどん話を引き出していく様子に粟田社長は驚いていました。最後には、「鞄持ち役」のはずの粟田社長まで思わずその会話に引き込まれていました。

「鞄持ち役」で小川代表を密着中の粟田社長(注1)


次週は、各社長の日経平均予想に加え、日本交通の川鍋会長がタイミーでアルバイトに挑戦します。居酒屋のホールで彼は何に気づき、何を学ぶのでしょうか。非常に楽しみです。


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注1:TBS「がっちりマンデー!!:スゴい社長大集合!新年会SP!(1/12, 19)」より
注2:TBS「がっちりマンデー!!」ホームページ および note 「がっちりマンデー!!  note 編  がっちりスクール!!」より


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