元教授、獅子舞に噛まれて幸運を掴む? 東京駅前ホテルで過ごす穏やかな正月: 定年退職278日目
東京駅前の老舗ホテルで特別なひととき
昨日、東京の丸ノ内ホテルに宿泊しました。年始の東京は多くのホテルが満室で、残っている部屋もスイートルーム並みの料金設定がなされていましたが、ここは比較的リーズナブルな宿泊代で助かりました。このホテルとは現役時代から長いお付き合いがあり、出張の際の定宿として何度も利用してきました。東京駅直結という立地の良さが魅力で、深夜到着や早朝出発の際に特に重宝します。運が良ければ客室から東京駅のホームが一望でき、鉄道ジオラマのような景色を楽しめます(私はマニアではありませんが、それでも心躍ります)。(下写真もどうぞ)
ホテルでの華やかな新年の演出
お正月ということもあり、ロビーでは升酒が用意され、着物姿のスタッフが宿泊客に振る舞っていました。コロナ禍には難しかったであろうこの催しが復活し、ホテル全体が晴れやかな雰囲気に包まれていました。チェックアウト時にはロビーで琴の演奏が行われ、そこへ獅子舞の一行が到着し、お正月らしい雰囲気を一層盛り上げていました。多くの海外からの宿泊客も日本の伝統文化との出会いを楽しんでいる様子でした。
獅子舞の起源と意味
獅子舞との思いがけない出会いをきっかけに、その歴史を少し調べてみました(注2)。獅子舞のルーツは古代インドの遊牧民の宗教行事にあり、獅子とはライオンのことだそうです(日本にはライオンはいないため、私は獅子を架空のものだと思っていました)。日本で獅子舞の原型が登場したのは 16 世紀初めごろの室町時代と言われています。江戸時代初期には祝い事の際に獅子舞が定着し、その後、各地で地域の風土や風習が加わり、伝統的な民俗芸能へと発展しました。東京でよく見かけると思っていましたが、意外にも全国屈指の数を誇るのは富山県と香川県だそうです。
獅子舞では、獅子頭という仮面をかぶって獅子に扮装して踊り、祭囃子に合わせて悪魔祓い、疫病退治、豊作祈願などを行います。観客の頭を噛むこともあり、獅子に噛まれると邪気が払われ、災厄から守られると言われています。「噛みつく」という言葉は「神付く」にもつながり、獅子が頭に噛みつくとその人には神様が付くと考えられているのです(語呂合わせのようにも感じますが・・・)。お正月に獅子に噛みついてもらうと、その人は1年間平穏無事に過ごせるとされています。
親が子どもに「噛んでもらいなさい」とすすめる光景もよく見られます。子どもが獅子に噛まれると、無病息災だけでなく学力向上のご利益もあると信じられているからです。実は今回、私たちも獅子舞に近づくと、運良く噛んでもらえました。今更、学力向上のご利益は期待できませんが、無病息災で1年間幸せに過ごせるかもしれません。お正月早々縁起の良い出来事で、嬉しく思いました。
丸善で始める新年:モネのカレンダーと名画展
お正月の楽しみはホテルだけではありませんでした。ホテルの下の階にある丸善・丸の内本店が2日から初売りをしていたので、出発前に立ち寄りました。ここは、丸の内オアゾの1~4階を占め、日本最大級を誇る規模でブック&ステーショナリーを展開しています(下写真)。私たちは本を眺めた後、4階のステーショナリーコーナーに立ち寄りました。目的は遅まきながら今年のカレンダーを購入することです。例年、近所のスーパーで配布される東山魁夷のカレンダーを楽しんでいたのですが、今年は出遅れてしまい手に入れることができませんでした。丸善では大好きな印象派の巨匠モネのカレンダー(タイトル写真(1, 2 月)、下写真)を見つけることができ、これからの 12 ヶ月が楽しみです。
同フロアのギャラリーでは「丸善新春絵画特選展」が開催されており、東山魁夷や平山郁夫などの名作の数々を鑑賞することもできました。バンクシーの作品の複製まで展示されており、眼福でした。
正月三が日も終わりに近づき、徐々に日常のリズムへと戻っていく時期となりましたが、今日までは許してもらいましょう。皆様の一年が実り多きものとなることを願っております。それでは。
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注1:「丸ノ内ホテル」ホームページより
https://www.marunouchi-hotel.co.jp
注2:「ニッポンのマナー:獅子舞」ホームページよりhttps://kankonsosai.jp/article/shishimai/
注3:「丸善・丸の内本店」ホームページよりhttps://honto.jp/store/detail_1572000_14HB310.html