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NHK新番組『めぐみ巡り』で思い起こす京都の風景: 清水寺西門、祇園宮川町、そして鴨川界隈 (元教授、定年退職307日目)

NHK の新番組「めぐみ巡り」は、日めくり形式で京都の魅力を紹介するほっこりする旅番組です。旅人は、温かい笑顔が印象的な女優、羽田美智子さん(タイトル写真:注1)。以前の火野正平さんが旅した「こころ旅」と同じ時間帯、朝 7:45〜8:00 に放送されていました。

羽田美智子さんは私と同じ茨城県出身で、周囲を明るくする魅力と確かな演技力を持ち、1996 年には日本アカデミー賞 優秀主演女優賞を受賞しています。年齢を重ねることを自然体で受け入れながら、幅広い層のファンを魅了しています。ラジオでも、優しい声で月曜から金曜日までの朝を彩っています。

今週の番組では、羽田さんが京都を巡り、視聴者からのご紹介の中から、ゆかりのある場所や人々との出会いを紡いでいます。徒歩2〜3キロコースの気軽な旅ですが、京都の奥深さに触れることができました。週の初めには羽田さんの涙もうかがえましたが、後半には持ち直し、魅力的な京都の風景を紹介していました。特に私が心惹かれた場面を以下に紹介します。


清水寺の新たな魅力: 愛宕山を望む西門の秘密

番組初日、朝5時 50 分、羽田さんは早朝の清水寺へと向かいました。まだ薄暗い参道を歩き、開門したばかりの仁王門をくぐります。お目当ては、朝焼けの名所である奥の院からの絶景です。私も清水寺には十回以上訪れたことがありますが、早朝の静寂な雰囲気は初めて知りました(ラジオ体操する人々もいましたが)。そして、清水の舞台と京都市内を一望できる奥の院からの景色は、まさに絶景でした。(下写真もどうぞ)

早朝の清水寺の風景(注1)


その後、紹介者の方と訪れたのは、観光客があまり使わない階段を上がった先にある「西門」。400 年前に建てられたこの門は、夕日の名所として知られ、極楽浄土への入り口とも言われています。しかし、紹介者が愛するのは朝の風景で、正面から2歩半左に立ち門を通して景色を眺めると、そこには「愛宕山」がそびえ立つのです。以前 note にも書きましたが(12/12)、愛宕山は京都の人々にとって特別な存在であり、神の住む山として崇められています。紹介者はその麓で育ち、この景色を眺めることで襟を正し日々の心の支えにしているそうです。(下写真もどうぞ)

左上が西門、右上は日没の様子、下写真には西門を通して愛宕山が見えます(注1)


祇園宮川町で出会った、舞妓の卵

宮川町は京都五花街の一つで、お座敷遊びができるお茶屋や、舞妓・芸妓が暮らす置屋が軒を連ねる場所です。羽田さんが歩いていると、舞妓になるための準備期間である「仕込みさん」に出会いました。カメラを回して良いか聞くと、少し躊躇して誠に初々しいのです。羽田さんは、お母さんから「お稽古に間に合えば大丈夫」との許可を得て、少し時間をお借りしていました。

話を伺うと、仕込みさんは北海道出身の15歳で、テレビで見た舞妓さんに憧れ、去年の4月に宮川町に来たばかりとのことでした。現在、舞妓としてお座敷に出るまでの約一年間、日本舞踊などの稽古やしきたり、礼儀作法を学んでいるそうです。穏やかで明るく話す仕込みさんの姿に、羽田さんはとても喜んでいました。そして「人に愛される心の持ち方をきちんと備えていて、しっかり芸を感じた」と感想を述べていました。(下写真もどうぞ)

舞妓さんの卵と少しの時間(注1)


私は京都に十年以上住み、祇園界隈にもよく訪れましたが、お座敷とは全く縁がなく、花見小路などで舞妓さんを遠くから眺める程度でした。女将が元芸妓さんだった店には先輩(note(5/18))に連れて行ってもらったことがありますが、その際に女将と話した時、優しい言葉遣いの中に特別な品格を感じたのを覚えています。


学生時代を思い出す鴨川巡り

一昨日の番組では、鴨川周辺も巡っていました。鴨川は私にとっても思い出深い場所です。学生時代、四条で飲み会があると、必ず友人たちと鴨川沿いを歩いて吉田山麓の下宿まで帰りました。わずか数キロの距離ですが、ふざけながら歩いていると、下宿に着く頃にはすっかり朝になっていたこともありました(そのまま部活に行きました)。川に入ったり、川辺で寝たりと、今となっては褒められたものではありませんが、学生時代ならではの懐かしい思い出です。(下写真もどうぞ)

羽田さんの鴨川巡り(左下は別日の様子)(注1)


今回の「めぐみ巡り」を通して、改めて京都の魅力に触れることができました。特に、何気ない風景の中に、人々の暮らしや歴史が息づいていることがわかり、新たな発見や懐かしさを与えてくれる番組です。これからも楽しみにしています。

       

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注1:NHK番組「めぐみ巡り」より


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