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おれと妻の妊娠日記

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妻が妊娠中しているときに夫がつけた日記です。たまに妻の日記も加わります。「まる」は胎児に付けた仮の名前。続けて読むと「妊娠」という現象がリアルにわかると思います。
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2022年4月の記事一覧

2021年8月10日 おいしいと思うものを食べていていいですね

妊娠13週0日

夕方にモデルナ接種2回目があり、外出。電車に乗るの久しぶりだ。無事接種し、すみやかに帰る。

……いや、すみやかに帰るというのは嘘なのだった。帰る前に最寄りの駅前の回転寿司に入る(妊娠中の妻と一緒だと生ものを食べられないので)。隠れて食う寿司はうまいなあ。

何食わぬ顔で家に戻ると妻はコンビニで買ったというビビンバを食べていた。妻は最近元気なので、特に食事の用意などしなくても大丈

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2021年8月11日副反応の日

妊娠13週1日

噂には聞いていたが、モデルナ2回目の副反応すさまじい。頭は痛い、体はダルい、熱は39度まで出た。

ライター仕事が中心になってから、あまり外出をしなくなった。そして風邪を引いたり熱を出したりすることがかなり少なくなった。

こんな状態は何年ぶりだろう。つらさと同時に何やら懐かしさを感じる。不思議な感覚。そんなこと感じている場合ではないのだけど。

調子が悪い妻が、おれの世話をして

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2021年8月12日副反応の日2

妊娠13週2日

おれはモデルナ2回目の副反応で高熱が引かない。妻はファイザー1回目の副反応で動けなくなってしまった。もっとズラしておけばよかったのだが、さまざまなことがかみあわず、夫婦そろってこんなことになってしまった。

しかしおれの方は「高熱が出ている」以外にあまりつらい要素がない。普通に妻のためにおかゆを作ったりしている。

妻は高熱が出るとなにもできないタイプなので、おれがこういう動きを

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2021年8月13日ギリギリのダンス

妊娠13週3日

おれは副反応から完全に復活した。

妻の仕事は休み。妻は昼頃に一人で買い物に行き、自分で食べられそうな食料をいろいろ買ってきた。

妻は最近全然料理をしていない。台所にはいることさえ苦痛だという。においが気になるらしい。そんな中なのに今日は肉じゃがやカボチャの煮物などの晩ごはんを作ってくれた。

何もしなくていいのにと思うのだが、なにもしない辛さというのもあるものだよな。きっと。

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2021年8月14日「夏の思い出……」

妊娠13週4日

妻はちょっとした外出がつらくなってしまっている。そこで隣町に本屋に連れて行ってやる。

隣町の本屋なんて一人で行けそうなものだが、いまの妻には付き添いが必要である。

妻はこれを「デートだ」「夏の思い出……」と言っていた。なんとまあ、いじらしい。泣けるぜ。

本屋に伊藤潤二のホラー漫画『うずまき』があったので、これはおもしろいよと勧めたら購入していた。ただ、家に帰っておれが先に読

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2021年8月15日「入れ物に過ぎない存在……」

妊娠13週5日

妻はまたつわりが出てきているようで、あまり物を食べられていない。この連休中もほぼ寝て過ごしていた。

「なにもできない……。わたしはまるの入れ物に過ぎない存在……」
「まる……。こんなにも近くて、遠い……」
などぶつぶつ言っている。体調だけじゃなくてメンタルも心配。

それにしてもいちいちワードセンスがいい。胎児と母体の関係を「近くて、遠い」なんて表現するなんて、正確かつ情緒にあ

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2021年8月16日つわりは終了したのか……?

妊娠13週6日

例によって起き抜けは気持ち悪そうにしていた妻。それでも歯科衛生士の仕事に向かう。

心配していたのだが、帰ってくるころには元気になっていた。「仕事をしていたら夕方ころに急に元気になった」という。

つわりは急に終わることがあるという。その「急」が今日の夕方に来たのかもしれない。そろそろ「安定期」(つわりが終わる時期)に入るころなのだ。

それにしても、これまでに何度も「つわりが一

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2021年8月17日つわり終了したっぽい

妊娠14週0日

やっぱり妻のつわりは終了したようだ。全く気持ち悪くないという。「つわりは急に終わることも多い」と聞いてはいたが、本当に急に終わった。あの苦しんでいた日々はなんだったんだろう……。

妻はさっぱりとした顔で言う。
「悪い夢を見ていたみたいだ」
と。

夢か……。そうか……。おれは当事者ではないので、今までのが夢だったと言われても、なんだかピンとこない。なんなら今までもずっと夢みたい

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2021年8月21日 世の中めちゃくちゃだ

妊娠14週4日

仕事が忙しい。しかし、まるが生まれたらしばらくの間、仕事はセーブせざるを得ないだろう。とにかくいま来ているものは、全部やらなきゃ、なのである。がんばるぞ。

テレビでニュースを見た。新型コロナにかかってしまった妊婦が早産になってしまったという。しかし、コロナでの分娩を受け入れられる病院がなく、新生児が死亡してしまったそうだ。

もう世の中めちゃくちゃだ。ひどすぎる。何でこんなこと

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2021年8月25日アカチャンホンポの解像度

妊娠15週1日

アカチャンホンポに行く。最初にアカチャンホンポに来たときはなんだかよくわからなかった。でもいまは来る度にアカチャンホンポにおける商品の一つ一つが現実味を帯びて目の前に迫ってくる。

なんというか、いままではぼやけてたアカチャンホンポの解像度が上がってくる感じだ。

アカチャンホンポで売られている服はぜんぶかわいい。今日はそのなかでも「帽子」が特にかわいいことに気づいた。とにかく、

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2021年8月26日大きなお腹、小さな胎児

妊娠15週2日

妻のお腹は大分目立つようになってきた。しかしこの週数における胎児の大きさは「キウィ一個分」くらいの大きさであるという。妻のお腹の大きさと全然合っていない。

おれはいままで妊婦のお腹というのはギリギリまで胎児が詰まっているものだと思っていた。でも実際はそうじゃなくて、子宮がでかくなっていて、そのなかに胎盤があって、羊水があって、胎児は小さいということらしい。

全然余談だが、こう

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2021年8月28日40年前とは違う

15週4日

母から腹帯をつけて戌の日に安産祈願に行くようにね、とメッセージが来る。しかし産科の医者に腹帯はやめておくようにと言われている。

腹帯とは、妊婦のお腹に巻く帯のこと。昔はこれをするのがよいとされていたが、血流の妨げになるのでよくないそうだ。

もっとも、お参りの際など、「儀式」として一時的に付けておくのはさほど問題がないらしい。どうしようかな。

そのことを母に伝えると、40年近く前

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2021年12月26日 大丈夫だった

妊娠32週5日

おれは昨日見た「30%くらいの妊婦は出血する」という記事をお守りのように心の中に携えて一晩を過ごしていた。

朝になったら妻が「まるも元気に動いているし大丈夫だよ」という。よかった。それと同時に、おれが心配しすぎなのかな、などと思う。

食後に妻がお腹を出してじっと見ている。なんでも胎動がかなり激しい、お腹を外からみてみたいそうだ。これは外からでも胎動が目視できるはずだ、ミツヒロ

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2021年8月24日 外界の音が聞こえる

妊娠15週0日

妻はご飯ももりもり食べられる(ただし食べた後に若干気持ち悪くなるとのこと)。家事もできる。おれも食事作りが大分ラクになってきた。

まるはもう外界の声が聞こえているらしい。ヤバいな。おれたち夫婦は基本的にろくでもない会話が多い。特にテレビのバラエティを見ている時のヤジはよろしくない(ヤジを飛ばしたくて見ている)。

しかし、あまりヘンなこと言わないようにしなきゃいけない。妻とテレ

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