おいしいなら全てよし
高校卒業辺りから激太りした。
元々偏食で、野菜は苦手なものが多い。そして甘い物好き。好きな食べ物は?と聞かれた時は「子供が好きなものは大抵好きです」と答える。「舌がお子ちゃま」もよく使う。
その偏食ぶりは対して変わらないのだが昔は少食でもあった。給食は量も多いし野菜も食べないのダブルパンチでよく背の順の前組と一緒に残っていた背の順後ろ組であった。プラス若さでなんとか体型を維持していたのだが、とうとう太った。なぜか。
原因は最近食べ物が美味しいこと。中学の鬱以来食事は生きるために必要な作業のような感じだった。摂食障害ではないしそこまで苦痛ではないけど、晩御飯にメニューをリクエストするほどの食欲も興味も以前はなかった。
それが最近は本当に美味しい。白米がうまい、肉がうまい、出汁がうまい。料理をしてくれる母は「おいしい」の一言が聞ければ報われる的なこと言っていたので、意識的に言うようにしていたが、最近は無意識にうまいが出る。そして何より、ウマウマ言いながら美味いもんを食べるとほんとにうまい。この上ない幸福感で満たされる。
人生で1番楽しいことは?と聞かれたら今なら食べることと答えるかもしれない。けど食べることしか楽しみがないと言うと健康的に危ないサインのような気もする。Google先生に聞けば食事が楽しい=食事以外は辛いになって依存してくるとのこと。痩せなきゃと思っているのに食べ物が頭に浮かんでくるのは確かに依存なのかもしれない。
でもちょっと雰囲気が違う気もする。過食の人って「食べたくて食べるより詰め込む感じ」って言ってる人が多い。そうじゃない。私は食べることが本当に幸せだ。あの味が口に広がったらいいなと想像してヨダレを垂らしていざ食べたら想像以上の美味しさに顔が緩むまでの一連の流れが幸せなのだ。しかもほぼ毎回だ。そりゃ食べることから離れられないし、運動もしないんじゃ太るわな。けどぽっちゃりしていくことと疲れやすいことを除けば人生一食事を楽しんでいる。
生活習慣病になりそうだし、これもやっぱり辞めなきゃいけないのかな。やめたらやめたで違う楽しみを見つけるまでがしんどいんじゃないか。そう思うと我慢も効かなくてついのり塩ポテチが恋しくなる。いっそ美ボディ作りが趣味になったらいいのにな。私は容姿に関して、普通にその辺にいるおっさん代表の父親もびっくりするほど興味がないのである。だからこの体重でも危機感をそれほど感じずに食べてしまう。
でもだって、何度も繰り返すが幸せなんだ。幸せなことを頑張って辞めるってなんか違う気がしてならない。食べることはそのままになんとか運動や栄養バランスに気を使うことから始めてみようかな。これをやったらおいしく罪なく食べられると思えば頑張れるかもしれない。そっちの努力ならまだいけるかもな。
何回考えたかわからない結論を出しては、数時間後に忘れてまた食べているよきっと。
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