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『여기 봐/Look Here』命削って書いてみた

ずっとずっと悩んでいた。
なんなら今も悩んでいる。
この胸の内を吐露したらきっと心は苦しくなるし、回復までに数日から数週間要するダメージを負うに違いない。
認めたくないものを認め、知らないことを知り、ぼんやりとした偶像に輪郭を持たせて名前を付ける遊びだ。
強かに精神を打ち、体力と気力を削ぎ、甘い言葉のうえに居ても立ってもいられなくするための作業だ。
それでもやるべきことがある。やらなきゃいけないことがある。


『여기 봐/Look Here』について語らなくてはならない。

うううううこの曲名書くだけでしんどい。
ほんとにほんとに大好きすぎて何で大好きなのか分からなくなってきたから、「分かる」ための考察をしてみようと思う。
書き終わる頃には灰になっているかもしれない。その時はそっと海風に吹き流して欲しい。

※この文章には素人の解釈と歌詞の意訳が載っています。鵜呑みにして外で話すと恥をかく恐れがありますのでご注意ください。本文はコピペ禁止です。


1.曲のこと

私は楽器が弾けない。楽譜も読めない。なので感覚でしか楽曲を語ることが出来ない。
でも素人だから語れることもあるよね?(稚拙な言い回しを許してね)

Aメロのパーカッション(ボンボン聞こえるやつ)とベース(重低音)が物凄く好き。イヤホンで聴くと頬の内側あたりに響く気がする。
私はバンドの中だとリズム隊(ドラムとベースのことだと思っているけど合ってる?)を耳で追う癖があるみたい。
この曲も冒頭のアコギと指パッチン(もしくは拍子木)みたいな音の後ろから「ここにいるよー!」って入ってくるドラムにワクワクするし、いつの間にか隣にいるベースに安心する。

ラップラインのリリックの後ろでサビのフレーズがずっと鳴ってるのもエモい。(エモいとはエモーショナルが紆余曲折して形容詞化されたスラングである。私の心が動いているため今回の使用方法は正解とさせていただく)

Aメロとサビ前のぽんぽこ聴こえるやつ、これ何?カウベル?
これだけ追っかけて聴くと何とも言えない愛嬌のある間抜けな音なのに、全部に組み込むとなくてはならないパーツに思えてくる。
音楽って不思議だね。

この曲を最大限に良くしている(浅い言葉)大きな要素の一つがスキャットだと思う。これも名称が合っているかは分からない。
「ey!」「hey!ho!」「uh~」「freakin' freakin'」「hoo!」「(文字に起こせない高音)」「(鼻にかけた笑い声)」
聴き直してみたらほとんどナムさんの声な気がする…
この曲MIXするのめちゃくちゃ大変そう。そしてめちゃくちゃ楽しそう。

ほんと申し訳ないけど私の周りの(もしくはこれを読んでくれた)有識者、この曲の音楽的な良さとか楽器のこととか教えて欲しい。流石に知識が足りなすぎる。


2.声のこと

私の知人でこの文章をお読みの方は、私が「キムナムジュンしんどいよね?」ということが言いたくて筆を執っていることをご存じかと思う。

ところがどっこい、この曲のしんどいポイントの意外な構成員はチョンジョングクなのだ。
このアルバムが出たのが2014年8月20日なので、当時のグクは数え年で18歳、満年齢で16歳。

最初はやっぱりナムさんのラップがは える曲だと思ってた。
位置関係で言えば、画面に一番近いこちら側の上手かみて にナムさんがいて、画面中ほどに他のメンバーが肩を組んで並んでいる。グクはその一番端でこちらに向かって手を伸ばしている感じ。

しかし何度も聞くうちにそのイメージが変わってきた。
今は画面ど真ん中にドヤ顔のグクがいて、隣に微笑むナムさんがいる。グクの周りは楽しそうなボーカルラインが駆け回っていて、少し離れたところでSOPEがニコニコこちらを見ている。そんな感じ。

びっくりする程分かりにくいな。
まぁとにかく、この曲のグクはめちゃくちゃ楽しそうで、音楽にたっぷりと溺れている感じがするのだ。

楽曲は全体的に若くてエネルギッシュで青くて爽やかだ。なのにメロディーは大人びている。
メンバーは全員若く、彼らの声に青二才の背伸びがそのまま現れているようで、語弊を恐れずに言えば「恥ずかしくなる曲」なのだ。

共感性羞恥ってやつ。でもそれを「好き」が上回るので、私も一時青二才に戻って音に身を揺らすことが出来る。
だから曲から離れて考察すると顔が熱くなるのだな…

グクの声はその代表格。一番若くて、少年が青年になる前の国宝級に貴重な時間をリアルに生きている男の子。
その声で「여기 봐 도망가지 마/こっち見て 逃げないで」って。
大人に言われるよりぐっとくるよ。

そしてもう一人の声の立役者、キムテヒョン。
前述の通り私はドラムとベースが大好きなのだが、テテの声はもろにベース。
主張しすぎない低音や裏声のハモりが心地よすぎる。
この声を追いかけて深みにはまる人が続出するのも頷ける。

もちろんジンくんジミンちゃんもなくてはならない声。改めてボーカルラインの四人は物凄い声のバランスをしていると痛感する。

ラップラインの実直で熱っぽい声と対比するようにボーカルラインが素直な声で歌うからこそ、この曲の「やばさ」に拍車が掛かるのだ。
きっとこの曲を「年齢の割に色っぽい曲が歌えるBTS」として捉えている方は多いと思う。
でも私は「色っぽい曲をBTSがこの歳で歌ってみた事実」にどうしたってぶち上がってしまう。

揃いも揃って綺麗なお目目に希望と期待を光らせてこっち見てくるんだもん、そりゃ心臓に悪い。睨みつけたってピュア。そんな声が響き合う曲だ。


3.閑話休題

若くて青い彼らの背伸びした歌が良い、なんて綺麗に纏めようとしましたがね。

見てくださいこの時のビジュアル。

正直この時のナムさんのアー写は色っぽすぎて正視できない。
はちゃめちゃに可愛いオン眉ンギさんも見所。

そう、何を隠そうこの『여기 봐/Look Here』という曲はアルバム『DARK & WILD』に収録されているのだ。
このアルバムの表題曲は『댄저/Danger』と『호르몬 전쟁/War of Hormone』。

歌っているのはこの時期の彼らであることを忘れてはいけない。

『댄저/Danger』は自分を惑わす相手に対して一種の怒りを顕にした闘いの曲。
호르몬 전쟁/War of Hormone』は本能に忠実な青年たちを描いた葛藤の曲。
色恋ほどセクシーじゃなくて恋慕ほど可愛らしくない愛の形を納めたアルバムは、どこを取っても異色だったのだと気付く。

鬱屈を叫んでいる。愛の前でみんな戦っている。
その一つの形が『여기 봐/Look Here』なのだ。

余談だが、多分ナムさんのMIX TAPE『RM』より『Do You』『농담/joke』の撮影期間はこの直後。
なるほど、その時期ね。いっちゃんやべぇ時だ。


4.歌詞のこと

はぁ、ついにこれ。
若くてエネルギッシュで青くて爽やかな曲に当てはめるべく彼らが紡ぎ出した傑作。ダイレクトで心臓を掴んでくる魔物。意味が分かると怖い話。

韓国語勉強歴四ヶ月が決死の意訳を繰り広げるので要注意。
※一部訳す順番を入れ替えています。


ユンギさんパート

처음에는 단지 호기심
으로 시작해 네게 관심을 보이지
Holy shit 그래 니가 날 도외시
해도 내게 빠져드는 시간 for a minute
제법(제법) 우린 어울리지
니가 없는 나는 빛을 잃은 Seoul city
호시탐탐 너의 빈자리를 노려 토끼굴 그래피티
너 없는 하루란 단막극은 trangedy

最初はただの好奇心
から始まり君に興味を見せ始めたんだ
なんてこった そう、君が俺を度外視
しても俺に落ちる時間はあと少し
なかなか俺たちお似合いだろ
君がいない俺は光のないソウルシティ
虎視眈々と君の空いた席を狙う地下道の落書き
君がいない一日という単幕劇は悲劇


パッと聞き気持ちいい韻を次々と踏みまくるのもさることながら、キザ~!と叫びたくなる言葉の数々。
殺し文句ってやつ?これがミンユンギから生まれているという事実。なんてこった。

俺に落ちるまであとちょっとだってさ。もう落ちてるけど。

「君」がいたら自分は光輝くソウルシティだって。一緒にいたら一日が喜劇になるって。(そこまでは言ってねぇ)(いや言ってるかも)
おしゃれにも程がある。
단막극は一幕のみの戯曲のこと。韓国の言い回しっぽい。寸劇とかショートドラマみたいな感じ。

「地下道の落書き」が入ることによりほんの少し保たれたアングラ感。今日も良い塩加減である。
토끼굴は直訳すると「ウサギの穴」だが「地下道」と訳せるらしい。

細かいとこだけどこのバースの入りを「처음에는/最初は」にするの、洒落てるよね。そしてラストで幕引きを想起させる演出。インアウトの繋ぎが美しい。

あとこれは見過ごせなかった。
小節がかっちり終わるところに韻を持ってきてるのに、1、3行目の歌詞は文章が終わりきらないように出来ている。でも字余りじゃない。
一拍ずつ後ろにずれ込むような、音を上手く引きずるような感じ。曲調も歌い方も割とパキパキしてるのに歌詞の中身と割り方がねちっこい。さばさばしてる雰囲気なのに狙ったらしつこい感じ。
これ自体はよくある表現方法かもしれないけど、ことこの曲に関しては「いるよねこういう男」って思ってしまった。あっぱれ。


ボーカルラインパート

우리 만남은 우연이 아니야
너를 만난건 내 바램이었어
너는 꽃이고 나는 벌이야
너는 꿀이고 나는 곰이야

어쩌면 책 읽듯이 말이 술술 나올까
어딘지 모르게 넌 나를 닮은 것 같아
너무 예뻐 넌 느낌이 좀 나
매력이 터져 이제 내게 줘봐(freakin' freakin')

여기 봐 도망가지 마
여기 봐 도망가지 마
여기 봐 도망가지 마
조만간 니가 날 원할 테니까

俺たちの出会いは偶然じゃないよ
君と出会うことは俺の願いだった
君は花で俺は蜂だ
君は蜂蜜で俺は熊だ

どうすれば本を読むようにすらすら言葉が出るだろう
どことなく君は俺に似ているみたい
めっちゃ可愛い 君は良い感じだよ
魅力が爆発する 今俺に見せてよ

こっち見て 逃げないで
こっち見て 逃げないで
こっち見て 逃げないで
近いうちに君が俺を求めるから

외롭다고 징징댈 땐 이미 늦었어
니 아리따운 매력 내가 알아버렸어
Baby come on

처음엔 열 번 문자에 한 번 답장하던 너
나중엔 먼저 전화해 하루종일 나만 찾아대

여기 봐 도망가지 마
여기 봐 도망가지 마
여기 봐 도망가지 마
여기 봐

寂しくてぶつぶつ不満を言う頃にはもう遅かった
君の麗しい魅力 俺が気付いてしまった
ベイビー さあ

最初は10回のショートメールに1回返信していた君
いつか先に電話してよ 一日中俺だけを探してるんだって

こっち見て 逃げないで
こっち見て 逃げないで
こっち見て 逃げないで
こっち見て


ラップラインのリリックに比べて、同じくらい自信があってもまだ少し空ぶってる感じの歌詞。
「너가/君が」って言いすぎで本当に首ったけなのが分かる。
ちょっとだけ不器用さが出ている歌詞が「どうすれば本を読むようにすらすら言葉が出るだろう」のとこ。確かにラップラは饒舌にも程があるよな。

ほんとこの曲を象徴する「여기 봐 도망가지 마/こっち見て 逃げないで」は甘酸っぱくて胸が苦しくなる。雷に打たれたように熱烈な恋愛してるのに一番言いたいことは「こっち見て」なの。眩しすぎるよ。

전화は「電話する」で、해が付くことで命令形になっている。「電話しろよ」ってめちゃくちゃ可愛い命令だね。

しっかり気を付けないとボーカルラインの歌詞を「僕」で訳してしまう。なんだか全体的に可愛らしい言葉運びだと思った。
ちなみにこの後のホビパートも「僕」で訳しそうになった。危ない。
「俺」でも「僕」でも一緒なんだけど、なんとなくこの曲の主人公がなりたい理想像は「俺」かな、と。

少し脱線するけど、グクの話言葉は「僕」で脳内再生されがち。ジミンちゃんは基本的に「僕」だけど釜山訛りが出ると一瞬で「俺」になる。ジンくんは日常的に「僕」って言いそう。テテは完全に「俺」。
なんだろうね、このイメージ。

처음엔からの下ハモがテテだと思うんだけど、音の厚みが凄く好き。
そして나중엔なんだけど、どんなに調べても「後で」のニュアンスしか出てこなかった。「今は」で訳している方が多い気がするんだけど、どう訳しているのか…誰か教えて…
まぁ「最初のうちは俺からめっちゃメールするけどいつかそのうちお前から電話掛けろよ、四六時中俺のこと探してんだろ?」っていう歌詞が一番しっくり来たので、これで良しとする。


ホビパート

나란 남자 너에게 다가간 재주
인정해줘 널 위해 달린 내 계주
에쥬,재채기 같은 말을 해도 bless you
지루하면 내 모습 매주 debut
한 듯이 널 향해 가 줄게 뭘 바래?
너도 나와 함께 사랑의 바다 항해
넌 도둑 난 경찰 훔친 값은 해
너 없으면 외로운 도시 속의 나그네
너를 원해

俺という男 君に近づいた才能
認めてくれ 君のために走った俺のリレー
ハックシュン くしゃみみたいなことを言っても お大事に
退屈したなら俺の姿は毎週デビュー
するみたいに君に向かっていってあげるよ 何が欲しい
君も俺と一緒に愛の海の航海
君は泥棒 俺は警察 盗んだ価値は太陽
君がいなかったら寂しい都市の中の旅人
君が欲しいよ


正気を疑う程にキザ。(失礼)
ミンユンギがさばさば系を装った肉食男子だとしたらチョンホソクは懐いて離れないワンコ系男子。(何を言ってるんだ)

同じ譜割り分なのにユンギさんに比べてホビの台風感はなんなんだろう。嵐のような男。
全力疾走でこっちに向かってくる感じ。こちらに笑顔しか見せないしプレゼントたくさん買ってくるしめっちゃLINEの回数が多い。

くしゃみの音とそれに対する「bless you」をそこまでの韻に絡めるの、素直に音数が気持ちいい。

ホビのパートは前半と後半で韻の踏み方が違う。それも台風ポイントかも。
飽くまでも軽やかに音に乗ることを優先した、いかにもダンサーのリリックって感じ。
前半ラストの매주 debutにしびれます。絶対肩動いたもんね。

「훔친 값은 해」の訳し方が難しかった。色々検索して見てみたけど皆さん苦戦している様子。
훔친は「盗んだ〇〇」で값は「値段」や「価値」という意味。
問題は해で、これは「被害」や「太陽」や「命令形の表記」など様々な訳し方がある。
泥棒さんが太陽盗んじゃったから、行くあてもなく彷徨う旅人になってしまうのかな、と思いこの訳を採択。どうかな。

てか君が泥棒で俺が警察って。逮捕されちゃうってこと?(?)

ユンギさんパートでは「光のないソウルシティ」、ホビパートでは「寂しい都市」。ほんとこの二人のリリックの繋ぎ方は昔からおしゃれ。
それでもまだギリギリ振り向いてくれない「君」にあの手この手で口説き文句を投げるSOPE。これで落ちない「君」は何者。


ナムさんパート

what's poppin' girl?
또 만났네
What's wrong with you?

やあ、元気?
また会ったね
何考えてんの?

Love your 알렉산더 왕 love your 이자벨 마랑
baby 그만 튕겨대,come on,show me what you got
You sexy girl 나한텐 그게 중요해
(넌 내 이상형 충족) 우리 결혼해
내 일상에 피쳐링 중인 너
몸무겐 99킬로
널 떨칠 수 없어 너무 미워
오늘도 이렇게 운 띄워

너는 귀티 아님 pretty, 혹은 진리 아님 이치
Yo my Genie 람보르기니 be my teenie weenie mini
넌 비키니와 마티니, 또 Mercedes 참 멋지지
너무 이미 니가 지치니 stop that eenie menie miny
기서 날 제발 꺼내줘
Let me switch your mind 제발 변해줘
아 거기 서 봐 let me walk with ya
우쭈쭈 그랬 해줘 get it?

君のアレキサンダーワンが愛しい イザベルマランが愛しい
ベイビー焦らすのはやめて おいで、手に入れたものを見せてごらん
君はセクシーガール 俺にとってはそれが重要さ
君は俺の理想を満たす 俺たち結婚しよう
俺の日常にフィーチャリングされてる君
体重は99キロ
君を振り切れなくてとても憎たらしい
今日もこんなに韻が浮かぶ

君は上品それともプリティ または真理あるいは道理
君は俺のジーニー、ランボルギーニ、俺のちっちゃなミニになってよ
君はビキニとマティーニ、さらにメルセデス、ほんとかっこいいよね
あまりにももう君が疲れてるから迷うのをやめろよ
こで俺をどうか出して
君の考えを変えて どうか変えてくれよ
ああそこに立ってみて 一緒に歩かせてよ
「よちよちそうだったね」ってして 分かった?


あー訳大変だった。
まずキムナムジュンくんね、やりすぎ。

落ちそうで落ちない「君」にうつつ抜かして振り回される男じゃないのかよ!
インテリ溢れすぎちゃって「君」置いてきぼりだよ!
キザかどうかのレベル越えちゃってるよもう。

気を取り直してとりあえず一個ずつ。
イントロの「What's wrong with you?」はあんまり良い言い回しじゃないはず。
どうしたの?→なに考えてるの?→頭おかしいんじゃないの?
の間を取る絶妙なラインだ。
これは勝手な妄想だが、ちょっとお馬鹿で何考えてるか分からない魅力的な「君」に対して年上の彼らが振り回されながらも目を離せないでいる感じ。いいね。

さてこの大量の横文字の応酬、というか一方的な数の暴力。
全然意味が分からんかった「アレキサンダー王(ワン)」と「イザベルマラン」は調べてみたらファッションブランドだった。そういうこと?
ブランド名が出てくると途端に「君」の人物像が固まるのでよりリアルになる。

「君はセクシーガール」うんうんわかるよ
「君は俺の理想を満たす」うんうんなるほど
「俺たち結婚しよう」展開早くね?

まるで体重が99キロあるかのごとく自分に纏わりついて離れない「君」。
一見相手からの束縛に見えるようで実際は妄想度高めの話。それくらい自分の中身を占めてるよってこと。
どんだけ好きか語るのにべら回ってライム浮かびまくる男は相当ヤバいよ。最高だね。

「아님」を「否定文」として訳すか「それとも、あるいは」で訳すか迷った。
でも「セクシーガール」で「上品じゃなくプリティー」だとなんだか違和感があると思い、「上品それともプリティ または真理あるいは道理」にしてみた。
多分この「君」は何でもアリな憎いヤツ。

そして魔法のランプ、ランボルギーニ、小さなミニ(車繋がりだと思うけどこれはマジで分からん)、ビキニ、マティーニ、メルセデス。
自分が知ってる綺麗で可愛くて格好良いもの繋げました!みたいに素朴な振りして巧妙に組まれたリリック。
願いを叶えてくれるランプの精ジーニーを出して、そのあと「제발/どうかお願い」を重ねてきたり。
綺麗なスポーツカーと格好良いベンツと日常に寄り添えるミニカーを並べてみたり。(でもナムさんにミニシリーズは狭いよねって思った)

散々列挙した挙げ句、迷った?迷ったよね?じゃあ俺を選んで?だって。
……っぐぅ………やめろってそういうことすんの……こんなのぐうの音が出ちまうよ…

一番最後の有名な一文。ライブでは彼が愛嬌ポーズをしながら歌ってくれる垂涎もの…失礼、ご褒美的なワンフレーズ。
우쭈쭈は完全に赤ちゃん言葉。「よしよし」の上をいく「よちよち」って感じ。
 그랬쪄 해줘だが、素直に変換出来ず焦った。
どうやら「쪄」も赤ちゃん言葉の一種らしい。サ行がタ行になるあれだ。「よくできまちたね~」的な。
これを「君」に言って欲しいって?get it?じゃないよ、そこだけ強気で来るな。

普段頼りになる人から甘えられるとどうして良いか分からなくなる質(完全に隙自語)なので普通に困る。
なるほどこれがギャップね。ナムさんはしっかり者のギャップ男子、と。
心臓に悪いから出来れば料理中に甘えてくれないかな…それはそれで怖いか。

推しについて冷静に考察したいと思う一方で、このパートを聴く度に脳みそが一旦フリーズする。その結果、気付くと曲が終わっている。マジで全然最後を楽しめた記憶がない。頼むからやめてくれ。


全体通して思ったけど、ラップライン三人とボーカルラインの計四ブロックは四人の登場人物がいるのか?ってくらい性格が違いそうだった。

ユンギさんは自信があることしか言わず、核心的なことは相手から言わせようとする絶妙なメンヘラ感。
ホビは一目散に目の前まで駆け付けて、自分以外視界に入れないようにしたい必死さと熱意の塊。
ナムさんはじわじわ浸食して外堀埋めながら自分以外の選択肢をなくしていく拗らせた策士。
ボーカルラインは愛しい背中を追いかけて顧みずがむしゃらになるしかないちょっとイキった男の子。

でも確実なのは、全員自分にとって同じ「君」を見てるし、四つを一人の中にある人格と捉えても破綻しないということ。
向いている方向と熱の大きさが同じだと、作詞者がたくさんいても纏まるんだなぁと改めて感服した次第。


さいごに

ほとんどの文章を書き上げた今思うことは、実は特にない。
冒頭の危惧はどこへやら、案外しれっとしたものである。

書いているうちに世の中とのずれに気付いたからかもしれない。この曲をこんな視点で聴いている人はあまりいないらしい。(マイノリティぶりたい訳じゃないよ!)

今回新たに情報を仕入れてつつ脳内の文字起こしをしている間、ずっと『여기 봐/Look Here』を聴いていた。
凄いね。良い曲はどんだけ聴いても飽きない。それどころか次々と新しい発見がある。

存じ上げてはいたが、ラップラインのリリックセンスは凄まじいものがあるし、難しい曲を涼しげに歌い上げるボーカルラインは圧巻だ。

なんでこの考察を始めたのか…そうだ。何でこの曲が好きかを考えたかったのだ。
答えは出た。
時代と若さと、求められるものに全力で答えた彼らの熱すぎる眼差しを乗せた声だ。
今持っているもの全て振り絞って表現する嘘のない言葉だ。
この時だから出来たことが、今になっても大きな財産として蓄積されている歴然たる事実だ。

平静を装っておいて今、片足から灰になっている。
ほんと、良い曲って残酷なほど良いものだね…

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