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想定外の出来事の想定(奥田知志著『逃げおくれた伴走者』より)

 まだ読んでいる最中の本ですけど、奥田知志著『逃げおくれた伴走者』。読んでいる最中に感想を書いちゃうのは私の悪いくせなんですけど、独立した話の感想なので、おゆるしを。

 基本的に、大筋では納得している話ですが、このままでは突っ込みが来るぞ、と思っていることです。
 
 上田紀行さんという人との対談で、上田さんが言っています。想定外のことを想定してはいけないと世間でよく言われる話。この表現、何回も出てくるのですが、私は気になります。

 想定外のことを想定したら、それは、想定しているから、もはや「想定外」ではなく「想定内」なのでは?という疑問です。

 言いたいことはなんとなくわかるからゆるしますけど、ちょっとおかしい表現だと思います。おかしいというか、根本がなんかおかしい気がして。

 あと、もっとまずいのが、日本国憲法を、理想だと言っているところ。これはまずい。伊藤塾の伊藤真さんの講演で聴きましたが、憲法とは、われわれ一般人の自由や権利を守るために、権力者の権力を制限するためのもの。これは立憲主義の基本です。それをわかっていないで(わかっていなかったらかなりの不勉強だし、わかってやっていたらかなり悪質ということになりますが)、安倍総理大臣(当時)が、憲法改正の議論をしているときにこの意見に反論して、「そういう考えは中世の考えであって、現代の憲法は、国家の理想を書くもの」みたく言ったわけですね。もちろん安倍さんが間違っているわけですが、この奥田・上田対談は、憲法について完全に誤解していて、しかも、安倍さんの言う「理想を語るもの」という間違いのほうを推している。これは悪いけどいただけない。

 まだ読んでいる最中の本なので、読み終わってどう感じるかは別ですが、これはこれで独立した話なので、書いておきました。以上です!

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