食料自給率
小学校の算数の教科書に、「食料自給率」の話が出て来ました。社会の教科書にも出て来ます。いずれも、日本の食料自給率は、40%くらいで、低い、これはよくない、という論調です。小学生に聞いてみても、授業の雰囲気としては、「日本の食料自給率は、低くてよくない」という感じだそうです。
しかし、ほんとうにそうでしょうか。算数の教科書では、ほとんど、理由も挙げずに、「食料自給率が低いのはいけないこと」というのが前提で話が進んでいた記憶があります。かろうじて、自給率が低くて困る理由がちらっと書いてあって、2つ書いてあったのですが、1つは、国内の生産が落ちたときに困ること、もう1つが、外国から輸出してもらえなくなったら(日本が輸入させてもらえなかったら。これ、どう書いたらいいのですか?輸出・輸入について詳しくないので、書き方がわかりません)困ること、だったと思います。いずれにせよ、私にはたいした理由には思えませんでした。
直感的に思ったことは、これは、小学校の先生がよく言う「自分のことは自分でしましょう」の精神ではないかということです。前から何度も書いていますけど、「自分のことは自分でしましょう」「ひとに迷惑をかけてはいけません」というのは、学校で言われ過ぎている言葉でありまして、そんな、実際には、みんな、ひとに頼って生きているのですから、国同士でもおそらくそうで、食料だって、足りなかったら、輸入したらいいんじゃないでしょうか。そして、こちらも、なにが輸出できるか、考えて。「お互い様」でいいのではないでしょうか。助け合って生きていく。「自分の国だけ助かればよい」というのじゃなくてね。
(少し余談ですけど、「けんかをしてはいけません」とか「ひとを傷つけてはいけません」も、学校で言われ過ぎの気がしています。それは、国同士でけんかというか、戦争をするのはいけませんけど、人同士であれ、国同士であれ、考え方の違う人同士(国同士)がすれ違いを起こすのは当然のこと。そこを、なんとかじょうずにやっていくのが「外交」というものだと思うのですが、いかがでしょうか?)
そして、大切なのは、「世界全体では、食料は自給しなくてはならない」という事実ですね。火星から食べ物を輸入するわけにはいかない。どこかで、「食料の9割は、残飯になっている」という話を聞いたことがあります。この情報が、どこまで正しいのか知りませんが、ほんとうにそうかもしれません。それで、世界を見渡せば、貧しくて食べ物のない国、人はたくさんいる。これは、明らかにおかしいのであって、日本の小学校で、「食料自給率が低い」ことの危機感をあおってもしようがないと思います。自分の国だけ助かればよいわけではないと思いますけど。
というわけで、いまの日本の小学校では、「日本の食料自給率が低い」ということは、とても悪いことのように言われていることを知った話と、それは、典型的に、小学校の先生がよく言う「自分のことは自分でしましょう」の精神ではないかということです。(小学校の先生だけではないですね。総理大臣まで「まず自助」って言っているからね。)
以上です。ここまでお読みくださり、ありがとうございました。