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ナムジュンのペルソナ|映画「RM:Right People, Wrong Place」に繋がる物語

忘れもしない、2021年3月12日(金曜日)。
その日。
突然「BTS」の沼に落ちた新規ARMYです。


BTSの好きな楽曲

繰り返し書きますが。
BTSの楽曲の中で(ソロも全部ひっくるめて)一番好きな楽曲は、ホビの「Airplane」です。
沼落ちのきっかけになった「Dynamite」やミンユンギに興味を持った「Best of Me」、衝撃的な美しさとダイナミックさと歌詞の世界観でバンタンとARMYの絆に思いをはせた「Not Today」も差し置いて。それでも、BTSの楽曲の中で一番好きなのはj-hopeの「Airplane」なのです。

「Airplane」が好きな理由に、「BTSの好きな楽曲第2位」の存在があります。
それは「Airplane pt.2」(2018年5月18日発表)です。

つまり、私にとって、「Airplane」と「Airplane pt.2」はセットで「一番好きな楽曲」なのです。

BTSの大きな魅力は、楽曲を自分たちで制作しているからこその、楽曲間の連続性や、メンバーそれぞれの作詞によって同じテーマを拡張させていたり深堀していたり、同じメタファーをメンバーそれぞれの感情や経験を通して描き分けていたりしている点です。
一つの楽曲の中に、ラッパーの3人(RM、SUGA、J-HOPE)がそれぞれラップパートを入れるとき、それぞれの表現でそれぞれの言葉が織り込まれている。
「Airplane pt.2」もそんな一曲です。

BTSの2017‐2018年はどんな時期だったのか

「Airplane pt.2」のテーマは「世界中を飛び回り、グローバルな活躍をするようになったBTSの姿」ですが、世間からの評価と自分たちが追い求めていたことのギャップに苦しんでいる一面を描いている楽曲でもあります。

発表されたのは2018年5月。
この頃は、アルバム「LOVE YOURSELF」シリーズを展開中でした。
・LOVE YOURSELF 承 'Her'(2017年9月18日)
・LOVE YOURSELF 轉 'Tear'(2018年5月18日)
・LOVE YOURSELF 結 'Answer'(2018年8月24日)※ベストアルバム
楽曲としては
・「DNA」(LOVE YOURSELF 承 'Her')
・「MIC Drop」(LOVE YOURSELF 承 'Her')
・「FAKE LOVE」(LOVE YOURSELF 轉 'Tear')
・「IDOL」(LOVE YOURSELF 結 'Answer')
など、今に続く人気曲が次々に発表されていた時期になるのですね。

アルバム発表に向けて楽曲制作をしていたであろう頃=2017年はというと
2017年
2月(~12月):「2017 BTS Live Trilogy Episode III : The Wings Tour」
 〈10カ月間に19都市(40公演)を回るツアーを展開〉
5月:Billboard Music Awardsで「Top Social Artist」を初受賞
11月:American Music Awardsで初パフォーマンス
というまさに世界中を飛び回り、ワールドクラスのタイトル(賞)を手に入れ始めた時期だったんですよね。
特にツアー「2017 BTS Live Trilogy Episode III : The Wings Tour」は、10カ月間に19都市を回る規模です。
前年の2016年の「2016 BTS LIVE 花様年華 ON STAGE : EPILOGUE」ツアーは10都市14公演だったようですから、一気にツアーの規模が大きになっていますよね。

2017 BTS Live Trilogy Episode III : The Wings Tour

【Billboard Music Awards 2017】

【American Music Awards】

すべて正直に見せたい

2017‐2018年。
この頃の7人の活動については、「Burn the Stage: the Movie」という映像作品に残されていますね。

この「Burn the Stage」の冒頭で、ユンギとナムジュンがドキュメンタリー撮影の目的や映像を通じてファンに伝えたいことを語っている場面がとても印象的です。
BTSがこれまでさまざまなメディアを通じて “正直であること” を貫き通そうとしている姿勢とファンを裏切りたくないという思いが詰まっているシーンです。
この時、まさに世界中を飛び回らんとしていた時期に自分ちが世間からどうみられているか、(少なくともファンには)どう見られたいかを話し合っていて、考えを共有しているということ。
こうしたことの積み重ねで、同じテーマ、ひとつのメタファーで楽曲制作ができるBTSというグループを形づくっているのだなぁと感じられるとても素敵な場面です。

「Burn the Stage」Ep1「すべてひとりで」

配信シリーズにもなっていまのでYouTubeで見られます。
【Burn the Stage】

ナムジュンの苦悩

「Burn the Stage」の冒頭で悩みの片鱗を打ち明けているキムナムジュン。

僕はいろいろな考えと姿を持っている人なのに
この面を見せたらファンが心配したり嫌ったりするかもしれないけど
それに打ち勝ちたいです。

これを語っているのが2017年の初頭。
でもこの後、 BTSは世界中から注目を集めることになり、いろいろな役割を背負わされることになりましたね。

そのことがどれほどナムジュンを苦しめていたのだろうか…と思わざるを得ない。
この時の苦悩は、2021年6月の「バンタン会食」での涙や、ドキュメンタリー映画「RM:Right Place, Wrong Person」へと繋がっているように感じられます。
もしかすると、「Burn the Stage」で自ら語ったことに対して、責任や重圧を感じていたのかもしれない、と。

2017‐2018年のナムジュンが歌う。

オレの場合はいまでも
ある日はすごく調子が良くて
でも次の日はすべてが台無しで
オレの場合はいまでも
今日は何者で生きるんだ?
キムナムジュンか?それともRM?
25歳なんだ
上手な生き方なんてまだわからない
だから今日もただ進むだけさ

この「Airplane pt.2」での独白。

さまざまな姿を持つナムジュンが、“ありのままの自分”を受け入れられる場所を探し求めて。
そんな旅をこれからも続けていく姿を、また音楽や映像で見せて欲しいと思う。
もう私たちは知っているから。
彼に多くを期待しちゃいけない、望まない役割を背負わせちゃいけない、ってことを。

あらためて「Airplane pt.2」を読んでみる。

※「Airplane pt.2」には日本語ver.が公式にリリースされていますが、あえてオリジナルを(勝手に)訳しています。


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