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チョンホソクの憂い|野心で大きくなり続ける人

忘れもしない、2021年3月12日(金曜日)。
その日。
突然「BTS」の沼に落ちた新規ARMYです。


好きな楽曲ベスト5はなんですか?

本当に、本当に突然BTSを知ることになり、最初の1週間ほどは、彼らの楽曲をまとめたプレイリストを24時間流し続けステイホーム期間を過ごしていました(2021年はコロナ禍による自宅待機期間中でした)。
繰り返し聞くうちに、「なにこの曲、すご!」とか「あー好きだな」とか、そう思える曲が数曲出てきて。
韓国語は一切聞き取れはせず、もちろん意味はまったく分かっていなかったのですが…それでも、沼落ちの初期の初期ながら「ああ、これがBTSなんだなぁ」と思える曲に出会い、徐々に耳に馴染んでいく感じを覚え、音楽からもBTSの魅力にハマっていきました。

で、その頃から今でも、時々「BTSの好きな楽曲ベスト5」を自問することがあるのですが、何度考え直しても、“TOP5”は永遠の“TOP5”で。
またこれ「好きな楽曲ベスト10」で、10曲くらいに広げたら、6位以下はその時の気分で入れ替わったり、2023年から2024年のグループ活動休止中のソロ活動で追加された楽曲なども入って来たりするかもなんですが。

それでも一番好きな楽曲は「Airplane by j-hope」。

はい、その永遠の“TOP5”の第1位は「Airplane by j-hope」です。
意外や意外。沼落ちのきっかけになった「Dynamite」やミンユンギに興味を持った「Best of Me」、衝撃的な美しさとダイナミックさと歌詞の世界観でバンタンとARMYの絆に思いをはせた「Not Today」も差し置いて。
「BTSの好きな楽曲ベスト5」の第1位はホビの「Airplane」なんです。

ミュージックビデオでは、印象的な冒頭のグレーパープルの漢江、真夜中の駐車場に佇む一台のレトロなスポーツカー(ポルシェ968)、イームズラウンジチェアに一人腰掛け、これまでの道のりを静かに語り出す姿。
そして、低く穏やかに始まるチョン・ホソクの憂い混じりのリリック、澄んだ空気感、深みのある色彩の表現。
特にこのイントロの映像は、私が触れるK-POPのアートワークの美しさの基準となりました。

グレーパープルの漢江

美しさとHipHop

ホビが防弾少年団としてデビューするまでの苦労については、いろいろなところで語られていますよね。
私は沼落ちした直後で、この「Airplane」を聴いた時にはそういったエピソードは知らなかったのですが 、この楽曲から感じられる“ただならぬ野心”や“過去の自分へのねぎらい(肯定感)”は、BTSとして映るj-hopeを支えている固い土台のようで、影の部分のようで。彼の憂いの物語が美しくクリエーティブ作品に昇華されていると、感動を覚えたのです。
それからホビのオーデションの経緯や研修生だった頃のエピソードなどを聴くにつれ、この「Airplane」という楽曲が、 HipHopとは“負の感情や葛藤を自分で葬ること” との理解につながる一曲になったのです。

夢を叶えるには、高く飛ぶこと

「Airplane」で、生まれて初めて飛行機に乗ったが日本行だったと歌っています。(2013年12月に、日本で「SHOWCASE」を開催するための来日のことでしょうか?まだ日本正式デビューの前のことですね)
怖がりのホビにとって飛行機に乗るのは不安で心細い出来事だったんですね。「無事に着地したことに感謝した」と。
ただこの体験から「空を飛ぶこと」が夢を叶えることと重なっていく…。
「空を飛ぶことは、夢を叶えること」。
このことは、ホビの行動指針、決断のレバーになっているんですね。

ラッパーJ.Coleに憧れてパフォーマンス名を“J-HOPE”にし、そのJ. Coleと楽曲「on the street(with J.Cole)」を発表し、大型音楽フェス「Lollapalooza」でソロパフォーマンスを見せ、アーティストKAWSやNIGO®とセッション(コラボレーションや共同制作)をし、Louis Vuittonのアンバサダーとしてフロントロウに座り、エルメスやシャネルを着こなし、Audemars Piguetを腕にし、ソロでアメリカ、メキシコ&アジアをツアーで回る。

2025年6月、ソロツアーを終えてBTSとして集結する時。7人で叶えたい夢をホビはすでに計画していることでしょう〈計画の人=チョンホソク〉。
そしてその頃には、BTSとしての活動とj-hopeとしての活動をうまくコントロールするすべも身に着けていることでしょう。

自分の野心をあきらめない人。
やり遂げる人。
華やかに魅せられる人。

2025年。
ホビの新しい夢が始まるんですね」(いやもう始まってるか)。

夢を叶えるには、高く飛ぶこと

メタファー「空を飛ぶこと」

この「空を飛ぶこと」をメタファーにした楽曲は、j-hopeの「Airplane」(2018年3月2日発表)の直後にリリースされたBTS「Airplane pt.2」(2018年5月18日発表)がありますね。
「Airplane pt.2」ではBTSとして世界中を飛び回りながら感じた気持ちや、華やかな活動の裏で抱えている葛藤が歌われています。
リアルな姿をさらけ出したり、自嘲気味なセリフを放ったりしていて、HipHop= “負の感情や葛藤を自分で葬ること”をポップにアレンジしていて、特に曲調にラテンの要素を取り入れ、BTSの楽曲のバリエーションを豊かにしている特徴的な1曲です。

「Airplane pt.2」は「Airplane」の歌詞が引用されていることもありますが、こうして楽曲と楽曲の間に連続性があったり、拡張させていたり深堀していたり、同じメタファーをメンバーそれぞれの感情や経験を通して描き分けていたりする点は、BTSの大きな魅力です。

ひとりの物語は7人の物語。
7人の物語はひとりの物語。

そして、そう。
7人でならいくら高く飛んでも「着陸は怖くない」はず。
そうだよね?

We don't need to worry
'Cause when we fall we know how to land
心配する必要なんてないんだ
なぜなら着地する方法ならわかっているから

「Permission to Dance(2021年7月9日発売)

「空を飛ぶこと」「墜落/着地」がメタファーの楽曲

・「항상 (HANGSANG) (feat. Supreme Boi)」j-hope(2018年3月2日発表)
・「Airplane」j-hope(2018年3月2日発表)
・「Airplane pt.2」(2018年5月18日発表)
・「SUGA's Interlude」Halsey(2019年12月6日)
・「Interlude : Shadow」SUGA(2020年2月21日)
・「Permission to Dance」BTS(2021年7月9日)

【YouTube Playlist】


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