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過去への旅、再生の歌。「AMYGDALA」|D-DAY(2023年)

忘れもしない、2021年3月12日(金曜日)。
その日。
突然「BTS」の沼に落ちた新規ARMYです。

そして、クリエーターとして信用できるところ…創作者/表現者としてのミン・ユンギ|MinYoongiを推すタイプのユンギペンです。
どこか不完全で、つねに焦りを抱えていて、誰よりも、次はもっとうまくやってやろうと目を凝らして世の中を見ている。
“天才”のように言われるが、すべてが不安、準備、先回り。
周りの期待を慎重に汲み、つねに少しだけ期待を超えて相手を安心させる。
それが私のミン・ユンギです。

2020年。

BTS(防弾少年団)の7人が、森(Soop)のペンションで自由な休日を過ごすリアリティ(バラエティ)番組「In the SOOP」。
各自思い思いに過ごす中で、庭のベンチに座り読書をするミン・ユンギ。
読んでいた本が「アーモンド(祥伝社 刊)」。

アーモンド(祥伝社 刊)

「アーモンド」とは、脳の偏桃体のことで、カタチが似ていることから「偏桃(体)=アーモンド」と言われているのだとか。
※「偏桃」は、アーモンドの和名。

「In the SOOP」の撮影が行われたのは、コロナ禍の影響で、準備していたワールドツアーのスケジュールがすべてキャンセルとなり、ぽっかりと時間が出来たタイミングだったという(2020年5月ごろ)。

7人にとっては、アルバム「MAP OF THE SOUL : 7」をリリースし、満を持してのワールドツアーだったようで、このツアーを廻り終えたら入隊するという予定まで組まれていたということ。
それだけ綿密にプランし膨大なエネルギーを注ぎ込んで準備していたツアーが、チケットも販売済みだったツアーが、自分たちではどうしようもない理由で取りやめになる…。

2020年4月11日から18都市で開催する予定だった「BTS MAP OF THE SOUL TOUR」

記憶をさらけ出す矜持

そんな理不尽な出来事が起きた直後に、ミン・ユンギは「AMYGDALA」を制作している。

「偏桃体」。
英語では Amygdala(アミグダラ)。

PRESIDENT Online

「偏桃体」は、うつや不安障害などのメンタル不調と関連があることがわかってきているらしい。
また、「偏桃体」は情緒のうち、特に恐怖や不安と深く関わっていて、過度な恐怖や不安により「偏桃体」の活動が過剰になるとメンタルの不調が引き起こされる。逆に「偏桃体」の活動の低下が対人コミュニケーションの障害を招くのだとか。

この「偏桃体( Amygdala|アミグダラ)」をテーマにするミン・ユンギ。

彼自身、デビュー前(18歳の頃)に「対人恐怖症」を患っていたという(「The Last」|Agust D)。
また、自らを「十分に愛されなかった子」と歌っている(「사람 People Pt.2(feat. 아이유)」|D-DAY)。

強い恐怖や不安、うまくいかない対人コミュニケーション。そして、コロナ禍によりワールドツアーがキャンセルになった絶望。
それらを克服しようとする過程で書籍「アーモンド」と出会い、また「偏桃体」の機能について知識を得るミン・ユンギ。

その過程(対処)が、ストレートに表現されているのがこの「AMYGDALA」。

歌詞を聴いて、あまりにも赤裸々に家族のことに触れているのに驚かされた。
ただそれも、自分事を言語化して吐き出し自らをモデルとして差し出す(生贄のようでもある)…ユンギのラッパーとしての矜持なんだろう。

ああ、たくさんの出来事があったさ
ああ、耳に響く母の心臓の音
ああ、言い出せなかった事故
仕事中に受けた父の肝臓がんだという知らせ

あの選択が正しかったことを願うよ
すべて通り過ぎたことだけど
あの苦しみはぼくに必要だったんだろうか

それでも、ミン・ユンギは言う。

絶え間なく訪れる試練
でも、誰もぼくを止められなかった

また花を咲かせるよ、蓮の花のように

「蓮の花」は、アルバム「D-DAY」の中で、この「AMYGDALA」だけでなく楽曲「D-DAY」でも歌詞に登場する。

「蓮の花」。
泥沼の中から茎を出し、その泥に染まることなく美しく清らかな華を咲かせる。
また、早朝に開花し昼には花は閉じてしまうが、また翌朝に花を開かせる(2-4日繰り返す)ことから、「再生」の象徴とされている。

花言葉:「純粋さ」「成長」「誕生」「純粋さ」「精神的な目覚め」

締めくくりでありリスタートである「D-DAY」

Agust Dによる三部作の締めくくりがアルバム「D-DAY」。
この「D-DAY」で、過去をさかのぼる旅をしたミン・ユンギ。

「AMYGDALA」では、「恐怖や不安の原因になっていた「自分が希望しないこと」「自分ではどうしようもないこと」を取り除き、向いあうべきことだけを引き寄せた。
また、「D-DAY」では、「過去を悔やむな、未来を恐れるな」と、今だけに集中して生きることを指針に置いた。

薄暗い泥沼から抜け出し、凛として大輪を咲かせる蓮の花。

ミン・ユンギ。
美しい蓮の花。

「AMYGDALA」|D-DAY(2023年)

...と勝手なことを書きました。
「AMYGDALA」のここが好き、ここをこう読んだ、など聞かせていただけると嬉しいです。
ぜひコメントを、お願いします💙

〈これ聴いて♪〉



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