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きみのためというエゴ。それとも孤独。「사람 People Pt.2(feat. 아이유)」|D-DAY(2023年)
忘れもしない、2021年3月12日(金曜日)。
その日。
突然「BTS」の沼に落ちた新規ARMYです。
そして、クリエーターとして信用できるところ…創作者/表現者としてのミン・ユンギ|MinYoongiを推すタイプのユンギペンです。
どこか不完全で、つねに焦りを抱えていて、誰よりも、次はもっとうまくやってやろうと目を凝らして世の中を見ている。
“天才”のように言われるが、すべてが不安、準備、先回り。周りの期待を慎重に汲み、つねに少しだけ期待を超えて相手を安心させる。
それが私のミン・ユンギです。
ミン・ユンギが悩む「人間関係」は二元性。
ユンギは、2018年にBTSとして発表したアルバム「LOVE YOURSELF 結 'Answer'」の中のソロ曲「Seesaw」で、人との関係をまるでシーソーゲームのようだ、と歌った。
シーソー=二者の駆け引き、思いの重さを比べてしまうことで関係を続けることが辛くなり自ら身を引くことを選ぶ立場を。
どっちが先に降りるか降りないの駆け引きかなんてしないで
気分次第でずるずると引きずらないで
降りるか降りないか、終わりにしよう
繰り返すシーソーゲーム
もう十分だよね
3年を経て発表された、「사람 People Pt.2」でも、人間関係の二元性=「愛とエゴ」のバランスの悩みを歌っているようだ。
利他的はむしろ利己的なんだ
きみのためという言葉
それはぼくのエゴだから
利他的: 自分を犠牲にして他人の幸福・利益のために尽くす
利己的:自分の利益だけを中心に考え、他人の立場を考えない
「きみのため」と、あたかも相手に尽くしているかのようで、その「きみのため」が実は一方的な押しつけや、自分の思うようにコントロールしようとしていることなのではないか。
与えようとしている愛は、与えたい自らのエゴ(自己愛)ではないか、と(ミン・ユンギははっきり「ぼくのエゴ」だと言っている)。
愛は、認めること。
「ぼくのエゴ」と、この楽曲がミン・ユンギ自身のことを綴っているものならば、「十分に愛されなかった子だったから慎重で臆病。でも“真剣な関係(愛し合える関係)”を求めているんだ」というのもユンギ自身のことなんだろうか。
10代で音楽と出会い没頭する一方で、周りには(親御さんには)音楽をしていることを認めてもらえなかったというエピソードは折に触れ語られている。
自分が“好きなもの”を認めてもらえない、というのはさぞや辛かったろう。好きなものがある=得意なものがあるのは、発したいエネルギーがあるということだったのだろう。そのエネルギーを誰よりも受け取って欲しかった人は両親で、その両親から拒絶されているような気持ち…そんな辛さや葛藤が「愛されなかった」という思いに固まってしまったのだろうか。
「愛は、認めること」。
このテーマ(フレーズ)は、ユンギの書いた曲の中にはよく登場する。
自分の思いだけでは、存在し続けられない。
「砂の城」。
これも、ほかの楽曲に出てくるモチーフだ。
堅く積み上げているつもりだったものでも、波に流されてしまうもの、理不尽に。理想のカタチに創り上げているもりだったものでも、自らの手で崩してしまえるもの、感情で。
10代半ばから20代半ばまでの時間のすべてを注ぎ込んできた “音楽”が続けられなくなる、理不尽に。批判や否定を受けながらも研ぎ澄ましてきた感性をぶつけてきた “音楽”が自分自身の成長や変化で無為なものに思えるようなる、感情で。
「自分の思いだけでは、存在し続けられない」。
早くにそのことを達観したんだね、ユンギ。
So time is yet now, right here to go
Nobody doesn’t know anymore
そう、時はまだ今ここにある
そして、これ以上誰にもわからない
未来のことは誰にもわからない。
今のことなら、まだどうにかできる。
今のことに集中しよう。
アルバム「D-Day」の全曲を通じて伝わってくるメッセージだ。
「People Pt.2(feat. 아이유)」|D-DAY
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...と勝手なことを書きました。
「People Pt.2(feat. 아이유)」のここが好き、ここをこう読んだ、など聞かせていただけると嬉しいです。
ぜひコメントを、お願いします💙