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ミン・ユンギの言霊を宿す「Agust D」はじまりの曲。「Agust D」|Agust D(2016年)

忘れもしない、2021年3月12日(金曜日)。
その日。
突然「BTS」の沼に落ちた新規ARMYです。

そして、クリエーターとして信用できるところ…創作者/表現者としてのミン・ユンギ|MinYoongiを推すタイプのユンギペンです。
どこか不完全で、つねに焦りを抱えていて、誰よりも、次はもっとうまくやってやろうと目を凝らして世の中を見ている。
“天才”のように言われるが、すべてが不安、準備、先回り。
周りの期待を慎重に汲み、つねに少しだけ期待を超えて相手を安心させる。
それが私のミン・ユンギです。

踊るラッパー
踊る音楽プロデューサー

BTSを知ることになったのは、彼らのどこまでも美しいフォーメーションとハイブランドを着こなしてかつ難易度の高いダンスと歌唱で、楽曲の世界観を魅せるエンターテインメントとしてのすばらしさからでした。
沼落ち直後は、パクジミンのエレガントな立ち姿や、魂の美しさの化身のごとくのキムテヒョン、そしてクリアでのびやかな高音を響かせるキムソクジンのボーカルに憑りつかれておりました。

正直、このグループには「前列」と「後列」があると思っていました(だから、あの方を責める資格は一ミリもないのです、むしろ私も責められている心地がしていました)。

ところが、ある雑誌の表紙を見た時から、興味は彼へと注がれていったのです。

THE 10 MOST SWAG PEOPLE ON THE PLANET|Forbes|2017年12月号

あんなに美しいパフォーマンスをする7人のアイドルグループに、プロデューサーとして注目されているメンバーがいるの?
え、彼ラッパーなの?ラッパー風のメンバーなんていないじゃん、みな完璧に踊り歌い、「アイドル」なんかには収まっていない完璧なエンターテインメント集団でしょ?

まだ何人組かも知らないうちに、美しさに驚かされ即沼。

この「?」を解明するために情報収取しているうち、すっかりミン・ユンギにとりつかれてしまった…というのが簡単な経緯です(実際はそんなに簡単ではないです、むしろ相当にこじらせています)

ミン・ユンギの言葉を読む


そのミン・ユンギが、いよいよ新譜(ソロアルバム)を引っ提げ北米・アジアツアーを展開するとのこと。
これほど彼が夢に描き切望していたことはないでしょう。音楽を始めたころから(12歳ごろだったそうです)、目指していた姿であることは間違いありませんよね。

そんな彼の北米&アジアツアー「SUGA|Agsut D」のスタートに間に合うように…ここであらためて「Agust D」の楽曲から、ミン・ユンギの言葉の咀嚼にチャレンジしてみます。

ソロでコンサートツアー…どれだけ彼が望んでいたことか。
その夢の一片と、ここまでの彼の道程を少しでも理解できたら。

「D-Day」までの道程。

2016年発表のMixtape(公式に商業的な発表ではなく、音楽クラウドサービスに公開した作品群)「Agust D」。
ミン・ユンギの、SUGA of BTSとは別のペルソナ(人格)=クリエーターネームの「Agust D」を冠した作品群、

〈三部作|トリロジー〉
・2016年8月|「Agust D」 不安を表現
・2020年5月|「D-2」 過去と未来を行き来するストーリー
・2023年4月|「D-Day」 Agust Dのすべてを込めて

この三部作の一作目のタイトル、さらに楽曲名に「Agust D」と掲げた一曲目。
ここからはじめてみます。

「thang」と「ッテン|Ddaeng (땡)」

冒頭から繰り返される「thang」。

They call me new thang
やつらはおれを新参者と言う

この「Than」は、「thing」のスラングで「あれ」「あいつ」などを指す。
発音は「ッタァェン(θæŋ)」で、韓国語には発音が近い「Ddaeng (땡)」がある。
そう、これ「Ddaeng (땡)|ッテン」なんだね。

2018年6月のデビュー周年記念のイベント「BTS FESTA 2018」でパフォーマンスされた「Ddaeng (땡)」。
音としての「ッテン」。
韓国語では同音異義に
・花札での数字合わせ(強い組み合わせのこと)
・ハズレ音(ぶぶー的な)
・鐘の音(カンカンカンと鳴らされる時間を知らせる音)
・硬直や氷の塊、呪いを解く音
・顔がむくんだ状態(パンパン)
などがあるとのこと。

時系列的には、この「Agust D」の「Than」があって、その後に「Ddaeng (땡)」へ展開されたと振り返られるけど…(どうだろう?)。

「Agust D」|Agust D(2016年)

HipHopとK-POPとアイドルとの葛藤から

HipHopグループとしてデビューする計画が、準備過程で「アイドル路線」に方向転換。
それでも、ミン・ユンギはデビューしてファンがひとりひとり増えていくことに喜びを感じていたようだ(デビュー直後のファンミーティングや握手会での振る舞いは、誰よりファンサービスに熱心)。
一方で、ラッパーとしての実績(デビュー前のアンダーグラウンド活動)とデビュー後に浴びたあざけりや中傷のギャップに深く深く傷ついていたのも彼の姿だろう。
そんな時も、常に`黄色いノート'を持ち歩いていたという。

BTSとしてデビューし、“ラッパー”として「誰より成功している」ことを努力や我慢の`証明=PROOF'として掲げつつも、
「K-POPなんてカテゴリーにおさまりきらない」
「オレがアイドルであることをありがたいと思え」
と、自信と皮肉でカウンター。
このあたりは「IDOL(2018年8月リリース)」に展開されている。

「次はビルボードに」「ごめんな」
のフレーズを繰り返すのは、のちの「Mic Drop(2017年9月)」につながるし、休みのない忙しさと、ブラジル、パリ、ニューヨークを飛び回る状況は、のちの「Airplane pt2( 2018年5月)」に。

ありがとう、物語を続けてくれて。
ありがとう、諦めないでいてくれて。
ありがとう、エゴを捨てないでくれて。
ありがとう、乗り越えてくれて。

「D-Day」の「D」は、DreamのDなのかな。


...と勝手なことを書きました。
「Agust D」のここが好き、ここをこう読んだ、など聞かせていただけると嬉しいです。
ぜひコメントを、お願いします💙


〈これ聴いて♪〉



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