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ブラインド・マラソン

 元マラソン選手の野口みずきさんがパラスポーツ体験イベントに参加という記事。野口さんはこのイベントで、ブラインドランニングを体験したとのことですが、やはり目の見えない状態でのランニングは難しそうです。

ブラインド・マラソン

 ブラインド・マラソンは視覚障害を持つ人が走るマラソンです。障害の程度によってクラス分けされ、伴走者が必要な場合と単独走が可能なレベルがあります。伴走者が必要な場合、ブラインドランナーと伴走者は伴走ロープを持ち合い、伴走者はそのロープを引っ張ったり、声掛けをしながらカーブを曲がるなどの走る指示を行います。伴走者はまさにパートナーであり、普段の練習から一緒にトレーニングを行い、息を合わせます。

視えないから得られる感覚

 目をつむってまっすぐ歩くことが難しいように、運動する時の視覚情報から得られる空間把握能力はとても重要な役割を果たしています。ブラインド状態で走った経験はないのですが、ブラインドランナー達はどのような感覚で走っているのでしょう?

僕たちが視覚から得た情報で体をコントロールする変わりに、別の感覚が研ぎ澄まされているのでしょうか。

視覚を伴奏者がサポートしてくれてはいますが、それでも実際にどのような地面を走っていて、どの程度のカーブを曲がっていて、それに対して滑らかに効率よく走るにはどのように体を動かすかといったことは、僕たちは目で見ながら判断しているので、その視覚情報が無い場合はとても難しいように思います。

ブラインドランナーの人たちはそれを補うために独自のバランス感覚を有しているのかもしれません。また彼らに習って、ブラインド・ランニングをトレーニングとして取り入れるのも面白そうです。視覚をシャットアウトして、他の感覚を頼りにバランス良く走る新しい練習法として有効かもしれないですね。ただ行う場合は付き添いの人をつけるなどしっかりとした安全確保が必要です。

二人三脚で

 伴走者の役割も重要です。いきなり曲がったり、運動の状態を変えるのは大変ですし効率が悪いので、できるだけ分かりやすくスムーズに状況を伝えなければなりません。伴走ロープの使い方には各選手によって様々な工夫があるようです。またランナーと二人三脚でトレーニングや生活を行なっていく中で2人の息がだんだんと合ってきて、徐々に速く、堂々と走れるようになるのでしょう。

ブラインド・マラソンの大会は活発に開催されていますし、日本ブラインドマラソン協会などでは伴走者の募集・育成も行なっているようです。東京パラリンピックでの日本選手の活躍も期待されます。

また一味違うランニングの形であるブラインド・マラソン。注目してみてはいかがでしょうか。