
#最果タヒ展 感想
三菱地所アルティアムで開催されている(9/27まで)
「最果タヒ展 われわれはこの距離を守るべく生まれた、夜のために在る6等星なのです。」に23日、行ってきました。
意気込んでミニ本付きの前売り券を購入していたものの、展示を見にいくタイミングはちょっと(というかかなり)遅めになってしまいました。ちなみにグッズは別で早めに買いに行き、確保していました。
色々と発見というか感じることがあったのでかんたんに、展示を見ての感想を綴ってみます。詩の作品そのものというよりは展示としての感想の方が強いかもですが…。
写真撮影可(動画は不可)だったので、写真を載せつつ。全てを紹介するわけでもないですが、ネタバレといえばネタバレなので、まだ行っていない人はあまり知りすぎない方が楽しめるかもしれないです。
詩の存在
このように透明のアクリルブロック(?)でかたどることで、光を受けて、言葉って物理的にもキラキラできるんだなあ…と思った。
ループする詩
ループしているとわかっていても、どこかで区切りとなる読点(。)を探してしまう自分がいる。きちんと正しい始まりから終わりまで読みたい、理解したいと思う性がどうしても出て来てしまうな。
詩と身体
これも始まりから終わりまで一生懸命追ってしまう。ビジュアルが美しくて好き。
詩になる直前の、アルティアムは。
詩をモビールで吊るして展示してある作品。
この作品は「最果タヒ展行って来ました」という呟きに一緒に載せられている率が高い気がする。
私も写真を撮ろうと思って最初の方はなんとなく、途中からは「いいな」と思った詩を狙って撮った。
撮っていて面白いな〜と思ったのは「いいな」と狙った詩があっても、モビールで吊るされているからふいっと方向が変わってしまって見えなくなったりするわけで、その「言葉にそっぽを向かれている感覚」ってなんか新しいなという感じがした。
この上の詩(かなしくはないけれどさみしい、という感情は、ひとの感情の中でいちばん透明に近い色(をしている)。)は、私が前から好きな詩なのですが
カメラで捉えようと思ってみても、上の二枚みたいに、すぐくるくる移り変わって別の詩になってしまったり。(とはいえ次に現れた詩も好き)
あとは後から写真を見返していて気づいたことだけど、写真の枠の中に収まると、モビールが吊るされた立体としてではなく二次元的に、漫画の吹き出しに見えて面白い。
写真なんだけど、漫画の一コマのような。
三枚目、奥の詩と手前の詩を「死んでしまうことより」「永遠の夏は」「価値があるんだ」とつなぎ合わせてみることもできるなあと。写真に撮ってみて気づく、発見される詩もあるのかなあと思う。偶発的な。
この四枚目とか特に。「暴力的に見えてしまう。」という言葉が、壁に書かれた詩に対する感想のような、客観的な言葉にも見える。(意味がそれで正しいかは別として、見え方として)
最後に
ざっくりかんたんに感想は以上です。触れていない展示もありますが、個人的に特に感じることがあったもの、ということで書きました。
最後になんとなく、自分が思う詩についての話をして終わります。
まあそんなに詩に触れる機会が多い人間ではない、というか、どちらかというと詩という作品より、音楽に乗った詞に触れることが多い。
歌詞を楽しむ時も似たような感じだけど、自分が普段感じている感情に近いものを探ろうとしている感じがある。共感できる、しっくりくる部分を見つけたい。それは言葉の意味として「ああなんかわかる」「そうだよね」みたいな具体的な納得の時もあるだろうし、「さみしい」とかそういう自分が抱えている(と思っている)ワードを拾って、なんとなく共感してなんとなく慰められた気になっている時もある。あとは単純に言葉の流れが素敵だな、美しいな、いいなと思う時ももちろんある。
詩って、文脈とか言葉の意味をわかりやすく直球で届けるものではないと思う。冷静に意味をとろうとしたら「何?どういうこと?」ってなるけれど、そのよくわからなさによって受け取る人との間に適度な距離感が生まれている気がする。言葉そのものというより「なんとなくわかるかも」「わかんないけど好きかも」みたいなざっくり感覚レベルで共感するから、なんかそこまで依存するほどの関係性にはならない感じがする。別に言葉の方からストレートに殴ってくるわけでもないし、受け取るこちらも100パーセント「わ、わかる〜!(ガッチリ握手)」って感じでもない。そういう適度な距離感を保ちつつも響きあう感じが、私の考える、詩の良さかなあと思ったり。
改めて最果タヒ展、展示ならではの発見や楽しみ方があって良かったです。