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30分読書:『哲学マップ (ちくま新書) 』
一言でいうとどんな本?
哲学の歴史が4つの段階で説明されており、現代哲学までの流れを有機的に把握できる本。
なぜこの本を読もうと思ったのか?
ネガティブ・ケイパビリティは「対象の本質に深く迫る方法」だが、そもそも「本質」とはなんなのか?迫ることが可能なのか?について知りたかったから
今回の読書で学んだこと
どうやら西洋哲学において「本質」は現代に近づくにつれどんどん相対化され、そもそも本質は存在しないという主張もされてきているようである
東洋哲学においては古くから「本質」は存在しない、もしくは知るべきではないという姿勢だったようである
我々はつい「物事の本質を理解しよう」とか「その企画の本質はなんですか?」というふうに日常で気軽に「本質」という言葉をつかってしまうが、「本質」の本質を知らないままやすやすと使ってよい言葉ではないのかもしれない
自分が立てた問い
哲学では「本質」についてどんなアプローチでどのように理解をしようとしてきたのか?
主に読んだ章・節
はじめに
第一章 哲学の出発点
第十一章 哲学マッピング
第十二章 東洋哲学
第十三章 哲学で見る世界
終章 哲学の問い、ふたたび
あとがき
読書案内
見つけ出した答え
筆者による西洋哲学の4つの段階における「本質」のとらえかた
①プラトンの「イデア/個物」図式
すべての事物の本質はその事物の原型である「イデア」にある
「馬」の本質は「馬らしさ」のイデア
②デカルトの「主観/客観」図式
世界は「自分自身(主観)」と「それ以外のすべての存在(客観)」の2つから成り立っている
主観の本質は思考(「我思う、ゆえに我あり」)
客観の本質は「広がり(延長)を持つこと」(「幾何学主義」)
③カントの「超越論的哲学」
①と②の融合
カントは物自体の本質は直接知ることはできず、我々の経験を通して認識される「現象」として現れるとした
④ニーチェの「ニヒリズム」
ニーチェは「善」や「本質」の絶対的価値を否定し、たんなる「差異」であるとし、その「差異」ですら虚構とした
反-本質主義の哲学への道を開いた
現代哲学における「本質」のとらえかた
後期ウィトゲンシュタインの「家族的類似」
「本質」は一つの固定した定義を持つのではなく、様々な事例や文脈における類似性や関連性を通じて理解されるべきものとした
デリダの「脱構築」
本質という想定そのものを否定
サルトルの実存主義
「存在は本質に先立つ」
東洋哲学における「本質」のとらえかた
ブッダの「諸行無常」「諸法無我」
物事の本質は常に変化しており流動的(「諸行無常」)で不変の存在はない(「諸行無常」)
道教や儒教
すべてを不可知な(知るべきではない)自然とし、そのつど世界と自分との関係を再編成しつづけゆく
わからなかったこと
わからないことだらけである
特にカントの「超越論的哲学」が、プラトンの「イデア/個物」図式とデカルトの「主観/客観」図式の融合だという説明が理解できなかった
今回の読書を通して行動に移したいと思ったこと
入門書として「もっともわかりやすい」と推薦されていた『14歳からの哲学』を読む