エッセイ:仕事帰りのアイスティー
コーヒー派の私だが、今日はなんとなくアイスティー。少し入れすぎたガムシロップも、大人な香りで甘ったるさが残らず、爽やかだ。
いろんな思考が絡まった頭のなか。ゆっくりとクリアになっていく。
今日も頑張った。真面目に仕事をした。無事に一日の仕事を終えた。給料日が近い。
最近、将来のことを考えるようになった。高校とか大学の進路を決める時期よりも考えている気がする。あの頃も今くらいの冷静さと、先を見通すという発想があればよかったのにな。
なんとなくだけれど、自分が進みたい方向というか、理想の自分のようなものが見えてきた気がする。私が本当にやりたいこと。現実的に可能なのか、どうやって折り合いをつけていくのか。
漠然と抱えていた「こんなはずじゃなかった」の靄が晴れて、視界が開けたような感覚。遠くまで見えているわけではないけれど、一歩を踏み出しても大丈夫な場所が見つかった。
というより、この考えに至ったことがれっきとした一歩だったのかな。
二歩目、三歩目。
進んでいかなくては。
私は「人はいくつになっても挑戦できる」とは思っていない。歳を重ねれば、体力的にも精神的にも経済的にもできなくなることはきっと現れる。もちろん、できるようになることもあるだろうけど。
この先の人生、もうちょっと焦った方がよさそうだ。
さて、まずは。
スケジュール帳か卓上カレンダーが必要だな。とっておきのやつを探さなくちゃ。
アイスティーを飲み終えて、喫茶店を出る。生ぬるい風。今日は暖かいけれど、そのうち夜は寒く、早くなる。
今年のアイスティーは、今日が最後だったかもしれない。
入れすぎたガムシロップの罪悪感を抱えつつ、水曜日にしては心が軽い。そんな仕事帰りの話。
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