ドラムの神々に学ぶ 第35回 ニール・パート
世界の名ドラマーを紹介する「ドラムの神々に学ぶ」。第35回はニール・パートです。
カナダのハードロック、プログレッシブ・ロックバンド「Rush」のドラマー。
プロアマ問わず熱い支持を集め、人気ランキングで常に上位をキープするスーパードラマーです。
「賢者は歴史から学び、愚者は経験から学ぶ」という言葉があるように、ドラムの神々が残した軌跡を追いかけ、賢者を目指しましょう。
それでは行ってみましょー!
ニール・パートの特徴を簡潔にまとめると…
①「プロフェッサー」の二つ名を持つ
②モーラー奏法によるメロディックなフレーズ
③ドラムセットは360°
④作詞家、作家としても活躍
ではひとつずつ解説していきましょう。
①「プロフェッサー」の二つ名を持つ
ニールのプレイはハードロックドラミングが基本となっていますが、ジャズ、フュージョンからも強い影響を受け、オールジャンルに対応するテクニックを備えています。
ロックではキース・ムーンやジンジャー・ベイカー、ジョンボーナムなどのブリティッシュドラマーから、ジャズではバディ・リッチやジーン・クルーパなどのスウィングスタイルから強い影響を受けています。
そんなニールに付いた二つ名は「プロフェッサー」。彼よりも若い多くのドラマーは、彼を「教授」として、そのプレイから学んでいるのです。
②モーラー奏法によるメロディックなフレーズ
ニールはスティーブ・スミスのプレイに感銘を受け、その秘密を教えてもらいました。それこそが「モーラー奏法」、身体操作理論を軸とした奏法です。
ニールはフレディ・グルーバーの門下に入り、モーラー奏法を会得。スピードとパワー、そして表現力を兼ね備えたプレイヤーとなりました。身体がさらに自由になったことと、独特なセッティングによって、まるでドラムで歌っているかのようなフレーズを展開します。
フォームは肘主動で、プッシュビートの使い手。タイムよりテクニック重視のプレイヤーです。
③ドラムセットは360°
ニールのドラムセットは、自身の周りを360°取り囲むようにセットされています。前面にアコースティックドラム、背面にエレクトリックドラムを設置し、さらにMIDIパーカッションも取り入れるなど、常識に囚われない構築が特徴です。
背面のエレドラを叩く際は、客席に背中が向かないようにセットが180°回転し、前面に移動するというこだわり振り。
様々な音色を使い分け、リズムだけでなくメロディーまで奏でてしまうドラムソロは、観ていて決して飽きることはありません。
④作詞家、作家としても活躍
ニールはRushの作詞を手がけています。作家としても活動し、ノンフィクション作品を7冊書き上げました。
文章を書くことはドラムアレンジの構成力に、物語を創造することはドラムソロの構成力に…経験は全てドラムに繋がっているのだと、プロフェッサーのプレイは教えてくれます。
以上、ニール・パートの紹介でした。いかがでしたか?
ニール・パートに興味が湧いたら、YouTube等でぜひプレイを観てくださいね。
それではまた次回をお楽しみに! お疲れ様でしたー!