ドラムの神々に学ぶ 第30回 オマー・ハキム
世界の名ドラマーを紹介する「ドラムの神々に学ぶ」。第30回はオマー・ハキムです。
あらゆるジャンルで名を残し、近年で最も成功したドラマーのひとりとして数えられているセッションマンです。
「賢者は歴史から学び、愚者は経験から学ぶ」という言葉があるように、ドラムの神々が残した軌跡を追いかけ、賢者を目指しましょう。
それでは行ってみましょー!
オマー・ハキムの特徴を簡潔にまとめると…
①There are only 2 types of music "good and bad"
②あらゆるジャンルで必要とされるグルーヴ
③正確かつ圧倒的な手数のドラムソロ
④新しいテクノロジーも積極的に取り込む柔軟性
ではひとつずつ解説していきましょう。
①There are only 2 types of music "good and bad"
これはスウィングジャズの巨匠、デューク・エリントンの理論で、「音楽には2種類しかない、『良い』か『悪い』かだ」という意味です。
オマーの父であるトロンボーン奏者のハサン・ハキムは、デューク・エリントンやカウント・ベイシーのバンドで演奏をしていました。その影響もあって、オマーはこの理論を自らの「軸」としており、視野を狭めることなく様々なジャンルに適応し、多様性を身につけました。
②あらゆるジャンルで必要とされるグルーヴ
オマーと言えば弾むようなグルーヴ。そのグルーヴであらゆるジャンルのアーティストから厚い信頼を得ています。
フォームを分析すると、肘主動でプッシュビートの使い手。フォームは相当に洗練されているため、テクニック重視であるプッシュビートの中でもタイムは長めに取れています。
手と足のタイムにも差が無く、これが弾むような聴き心地の良いグルーヴを形成しています。
③正確かつ圧倒的な手数のドラムソロ
オマーはジャズやフュージョンでの活躍も数多く、ドラムソロには定評があります。とにかく手数が多いのですが、複雑というよりは派手なソロが多い印象です。
②で解説したようにフォームが洗練されているため、ソロでも常に正確に音符を並べていきます。
ロックでもその力を遺憾なく発揮。スティングの映画「I Burn For You」でのドラムソロは、映画に記録された最高のドラムソロの1つとして、高く評価されています。
④新しいテクノロジーも積極的に取り込む柔軟性
オマーは新しいテクノロジーを積極的に導入しています。ローランドの「V-Drums」シリーズの国際スポークスマンとして、電子ドラムの普及にも貢献。ライブにもV-Drumsを取り入れています。
アコースティックとデジタル、ジャンルを問わないプレイスタイル、その柔軟性や多様性によって、オマーはあらゆるアーティストから支持されているのです。
以上、オマー・ハキムの紹介でした。いかがでしたか?
オマー・ハキムに興味が湧いたら、YouTube等でぜひプレイを観てくださいね。
それではまた次回をお楽しみに! お疲れ様でしたー!