ドラムの神々に学ぶ 第29回 トミー・リー
世界の名ドラマーを紹介する「ドラムの神々に学ぶ」。第29回はトミー・リーです。
1980年代における、最高のハードロック/ヘヴィメタルバンドのひとつとして数えられる、Mötley Crüeのドラマーです。
「賢者は歴史から学び、愚者は経験から学ぶ」という言葉があるように、ドラムの神々が残した軌跡を追いかけ、賢者を目指しましょう。
それでは行ってみましょー!
トミー・リーの特徴を簡潔にまとめると…
①まさに「ヘヴィメタル」重厚感溢れるタイム
②パワーとスピードを両立する最適化されたフォーム
③回転セットから繰り出されるドラムソロ
④自身の音楽を追究し続ける情熱
ではひとつずつ解説していきましょう。
①まさに「ヘヴィメタル」重厚感溢れるタイム
見た目は奇抜なトミーですが、プレイは基本に忠実。シンプルかつ効果的なフレーズやパターンを構築します。
特筆すべきはタイム。音符を非常に長く捉えているため、速いテンポでも重厚感があり、逆に遅いテンポでもスピード感は損なわれません。
Mötley Crüeはメンバー全員がプルビートの使い手。全員が近いタイム感で演奏し、ハイクオリティーなアンサンブルを作り上げています。トミーのドラムはその心臓を担っているのです。
②パワーとスピードを両立する最適化されたフォーム
トミーは肘主動であり、その特性からスティックの振り幅が非常に大きいのが特徴です。
大きく振ってもタイミングが間に合うのは、スティックを振るスピードが速いということ。振るスピードが速いということは、さらに音量を上げることができるということです。
このスティックスピードを可能にするのが最適化されたフォーム。姿勢が悪く見えますが、非常に理にかなったフォームです。さらにこのフォームによって、①で解説したタイムが生まれているのです。
③回転セットから繰り出されるドラムソロ
トミーのライブパフォーマンスと言えば、回転するドラムセットから繰り出されるソロプレイです。
ソロ自体はテクニックを見せつけるような複雑なものではないのですが、宙吊りのまま演奏をしたり、縦に横にくるくる回転しながらのプレイは到底真似できるものではありません。
そのパフォーマンスに憧れ、回転セットにチャレンジするフォロワーも生まれるなど、世界中のドラマーに影響を与えました。
④自身の音楽を追究する情熱
トミーはMötley Crüeだけでなく、ラップメタルバンドのMethods of Mayhemを結成したり、Smashing Pumpkinsに加入したりと、精力的に活動を続けています。
憧れのドラマーはジョン・ボーナム。「間違いなく1番影響を受けたのはジョン・ボーナムだね。演奏面だけでなく、彼のドラムから奏でられるサウンドにも影響を受けたんだ」とトミーは語ります。
そのように築き上げたスタイルだけでなく、他のジャンルのスタイルも身につけたいとも語っており、音楽に対する情熱は並々ならぬものがあります。
以上、トミー・リーの紹介でした。いかがでしたか?
トミー・リーに興味が湧いたら、YouTube等でぜひプレイを観てくださいね。
それではまた次回をお楽しみに! お疲れ様でしたー!