ドラムの神々に学ぶ 第34回 ビル・ブルーフォード
世界の名ドラマーを紹介する「ドラムの神々に学ぶ」。第34回はビル・ブルーフォードです。
プログレッシブ・ロック界最高のドラマーと評される程のプレイヤー。洗練されたテクニックで、難解なリズムを軽々と操るレジェンドです。
「賢者は歴史から学び、愚者は経験から学ぶ」という言葉があるように、ドラムの神々が残した軌跡を追いかけ、賢者を目指しましょう。
それでは行ってみましょー!
ビル・ブルーフォードの特徴を簡潔にまとめると…
①プログレ界最高峰のバンドにひっぱりだこ
②テクニックだけでなくタイムが秀逸
③複雑な変拍子やポリリズムを操る分解能
④電子ドラムをジャズにも使ってしまう革新的なプレイ
ではひとつずつ解説していきましょう。
①プログレ界最高峰のバンドにひっぱりだこ
ビルのドラミング=プログレッシブ・ロックドラミングの歴史と言っても過言ではありません(プログレッシブ=進歩的、革新的)。
Yesから始まり、King Crimson、Genesisと、プログレ5大バンドの内の3つに在籍したことのある、レジェンドプレイヤーです。(残りはPink Floyd、EL&P)
ローリング・ストーン誌の選ぶ「歴史上最も偉大な100人のドラマー」にて第6位に輝くなど、そのプレイは高く評価されています。
②テクニックだけでなくタイムが秀逸
テクニカルなプレイヤーは、スピードを優先するためプッシュビートが非常に多い(と言うよりはプッシュビートだからテクニカル志向になりやすい)のですが、ビルは違います。
プルビートで演奏しているため、非常にテクニカルでハイスピードなフレーズも、音価がきっちり取れているのでクリアに聴かせてくれます。その分難易度は上がっているのですが、それをこなせてしまうのがビルです。
秘密はセッティングにあり、基本的にビルはタムを全て同じ高さになるようにセッティングしていました。最終的にはスネアもタムと同じ高さにし、肘の位置をあまり変えずにプレイできるようにしています。これはビルが手首主動で、肘が動くと効率が悪いことを分かっているからです。
③複雑な変拍子やポリリズムを操る分解能
ビルの最大の特徴と言えば、やはりその難解なフレーズ。複雑な変拍子やポリリズムを華麗に操ります。聴いている側が拍頭を探すのが困難な程ですが、曲として全く破綻せずにすんなり聴かせてしまうバランス感覚は、流石としか言いようがありません。
元々ジャズを学んできたビルなので、ジャズでの演奏技術やスウィングの感覚などを、そのままロックに応用しているようです。
④電子ドラムをジャズにも使ってしまう革新的なプレイ
ビルはシモンズの電子ドラムをいち早く導入し、「シモンズの最初で最後の使用者」と言われる程、長期に渡って愛用していました。
ロックだけでなく、自身のジャズプロジェクトにも使用し、ジャズにおいても革新的なプレイを披露しています。
当の本人は「プログレという言葉は不快だ」とコメントしていますが、そのプレイやアイディアは、進歩的、革新的なものばかりです。
以上、ビル・ブルーフォードの紹介でした。いかがでしたか?
ビル・ブルーフォードに興味が湧いたら、YouTube等でぜひプレイを観てくださいね。
それではまた次回をお楽しみに! お疲れ様でしたー!