「社内外チームのつくり方」で意識する「5つ」のポイント
こんにちは。佐藤奨(さとうつとむ)です。
#スポピザ 特別版の交流会の時間で「社内外チームのつくり方」について、どうやってチームをつくっているのかと、かなり多くの方に聞かれました。
どうやってチームをつくるのか。今回は「社内外チームのつくり方」、主にチームビルディング視点で記事にしたいと思います。
ちなみに、私が主催しているイベントの1万人規模を集めている「アクティブキッズフェスタ」や各地でショーを実施する「AIR TRICK SHOW」それから千葉ジェッツのにて5000名の観客を盛り上げた「ハーフタイムショー」など、全てに共通しているのは、「社内外チーム」です。
これらを実践する中で「社内外チーム」づくりには、求められるポイントが「5つ」あります。
社内外チームをつくるときの5つのポイント
1. 理念や哲学の共有
2. 方向性をこまめに伝える
3. 役割を明確にしすぎない
4. プロジェクト型
5. 楽しくやり続けられること
ポイントはこの5つですが、この5つを、それぞれ掘り下げる前に、まずは、そもそも「社内外チーム」とは何か?という前置きに触れておきます。
前置きが必要のないかたは下にスクロールして、5つのポイントだけを読んでもらえたらと思います。でも前置きの理解があった方がより理解しやすいとは思います。
「社内外チーム」とは何か
まず、社内外チームとは何か。
これは、読んで字のごとく、1つの会社内で何かを行うわけではなく、協業する会社や個人と組んで1つのことを成し遂げていくことを指しています。
昨年実施したイベント(#スポピザ)でも、イベントに向けて以下のような記事を書き、イベントのテーマも「社内外チーム」についてでした。
とはいえ、この文章でも書いたとおり、時代が台頭するなど、さも「社内外チーム」が新しそうな取り上げ方をしていますが、実際は、そうではありません。
例えば、自動車をつくるにも様々な部品工場との連携で1つの車がつくられているし、スマートフォンに関しても同じく、ROD(企画)から、部品、精密機器会社、組み立て工場までを入れると、これも「社内外チーム」で1つの製品がつくられています。
車やスマートフォンを例にすると、社内外チームは、ビジネス界において、さほど珍しい現象ではないことも分かると思います。
それなのに、なぜ今「社内外チーム」にスポットが当たっているのか?
そこが一つのキモとなりますし、「社内外チーム」について、今、あえて語る意味があると思っています。
どういうことか。
なぜ、あえて「社内外チーム」を今語るのか。
それは、今、変化が起こりつつあるからです。
「社内外チーム」づくりを後押しをする流れ
これまでの社内外チームとは「企業 対 企業」が中心。それが今後は「個人 対 個人」と変容しつつあるということが挙げられます。
これまでの社内外チームは「会社 対 会社」で行われ、チームというよりも「お取引先型」と言えると思います。「取引先の集合体」です。
これからは、「個人 対 個人」でのチームが増え、会社は適宜「看板」として作用するくらいで「新しい形態のチーム」がつくられていく流れがあるからです。
どうしてこのような「変化」が訪れているのか。
大きく分けて3つあるでしょう。
1. SNSの普及などで「個人発信」ができるようになってきた
2. 業務のIT化とITツールの普及で「空間の共有」の必然性が下がっている
3.「副業解禁」などの働き方改革の推進
これらの背景によって、「会社」という壁が溶けつつあり、社内外で「個人単位」にて繋がりやすくなっていると言えるでしょう。
同じ空間を共有しなくともオンラインで繋がれる
ざっくり言えば、会社メンバーともSlackやFacebookグループで繋がっているのに対して、会社外のメンバーとも、同じようなITツールを使って、そっちはそっちで繋がれる。
会社にいるのか、社内外のチームといるのか「境界線」が曖昧になっているのです。
同じ空間を共有しなくとも「ZOOM」などのツールで気軽にオンライン会議が行えるし、メッセンジャーやLINEなどのチャットツールで、簡単に進捗管理もできます。
こうした背景が「社内外チーム」づくりを後押しをする流れになっているのです。
働き方改革も社内外チームの後押し
昨今の「副業解禁」など、働き方改革推進にある背景は、これまで会社側は「終身雇用」「年功序列」などで、社員を一つの会社に我慢させつつも、定年まで残ってもらい、一途に会社に尽くしてもらう関係性がありました。
会社側も、そうした一途に尽くしてもらうために、年功によって収入を増やしていくマネジメントが働いていたものの、時代は変わりつつあります。
昨年6月の経団連の中西宏明会長による「終身雇用の見直し」発言が出ました。
この発言にもある通り、会社側も「社員」を守りきれないということを”あえて”発言することに繋がるなどして、あくまで社員を「一定期間」の雇用であることを匂わせる発言が飛び出しているのです。
こうした発言に端を発するように、今後、「雇用の流動性」がさらに高まるでしょうけれど、そこに到達する手前の変化として、まずは「副業解禁」。さらにその手前として「個人」として社内外と繋がること。
こうした細かなステップが「終身雇用」や「年功序列」撤廃に向けたカウンターとして、会社側にも働き手側としても作用していると考えています。
雇用の環境変化も「個人」の動きを加速させているのです。
さらに、今、「コンテンツ」黄金時代と言われ、コンテンツメイカーが台頭しやすくなってきています。Youtuberの誕生やSNSで名乗りをあげる人の様子を見て、そうしたコンテンツメイカーの背景に、個人の集団、チームの存在を感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
強い「個」と、それを支える「チーム」が続々と生まれつつあるのです。
..と、難しいこと書いてますけれど、これらの社会変化が起きている中で、働く時間の減少で時間にゆとりができたり、会社外の方と、ITツールの普及によって、繋がりやすくなり、打ち合わせなどの「空間」の共有が必要なくなってきているので、「楽しいこと」をやりやすい風土になってきているわけなのです。との前置きの締めが雑ですが、伝わりますかね。
これらの背景で「社内外チーム」がつくりやすく、そして、環境としてもつくられやすくなっているのですね。
ということで、本題に入ります。
社内外チームをつくるときの5つのポイントを掘り下げます。
1. 理念や哲学の共有
意外と軽視されがちな「理念」や「哲学」の共有。これは、同じ会社では当たり前に行われている会社もあれば、「業務」が中心で、「理念」なんで関係ないという会社もあるでしょう。
でも「社内外チーム」の場合は、会社でやるよりも、「意味」や「意義」の共有が大事だと思っています。なぜなら「空間」を共にしないから。
メンバーは、チャット形式のコミュニケーションに慣れる必要もあるかもしれないですが、文字にて意味や意義を伝えたり、動画などを通して、それをやることの意味を共有することが大切になるでしょう。
「業務」だけを振りたいなら、こうした任意のチームをつくる必要がないわけです。
想いを伝えていくことは、業務以外のことであり、別の手間がかかることですが、そこを「最重要」に据えられるかどうか。そこの意識が求められると思います。
2. 方向性をこまめに伝える
業務内容よりは「方向性」をこまめに伝えることも、相当に、意識すべきと思っています。
これは、主体者側が、「情報」を持ちすぎず、できるだけ情報を「共有」し、メインのメンバーが持つ情報量に近い形で「意思決定」だとか「アイデア出し」にも関与してもらいやすい「空気づくり」をしていくことだと捉えています。
ここは、これやっておけ!と言って「はい、分かりました」で通じやすい会社員の関係性とは大きく異なる部分であると捉えるべきです。
この1と2(理念だとか方向性を)伝えることに長けていない人は「社内外チーム」をつくることは不可能だと思います。それくらい大切なポイントです。
そこを面倒がる人は、「社内外チーム」づくりは向いてないので、チャレンジしない方が良いと思います。「圧」や「業務命令」で動かしたいなら、縦で動かせる会社の業務に集中すべきでしょう。
3. 役割を明確にしすぎない
役割を明確にしすぎないというのは、どういうことか。
「社内外チーム」の醍醐味とは、何か、「自分」で関わって、何かを一緒につくることに関与することにもあります。
となると、「つくること」に関与するのに、ガチガチにこれやって、あれやってと「上から落とす」ようなマネジメントは非常によくないことになります。
フラットに、かつ、やることに「余白感」があって、一緒につくれるような風土があるとベストです。そして2にも繋がりますが、これやっておけ!と言って「はい、分かりました」という会社風土とは異なるので、個々にある「自由意思」を尊重しつつも、目的に向けて一緒に組んでいけることが理想なのです。
イメージで言えば「野球」のようなカッチリとした「ポジション(役割)」がある組織よりも「サッカー」的に、メンバーと共に、攻めもするし守りもするような組織の方が近いでしょう。でも、サッカーよりも、もっと少ない役割分担になる場合もあります。
やりたい人が、やりたいことをやりやすい「余白」があることです。
4. プロジェクト型
「社内外チーム」は、私は、基本的には「プロジェクト型」である必要性を感じていて、できるならば「数週間の短期」または「3ヶ月」ないし「半年」くらいでゴールが見えるプロジェクトが理想的ではないかと思っています。
なぜかと言えば、ゴールが明確にしやすいし、成果が見えやすくなるからです。
「社内外のチーム」で数年単位のプロジェクトとなると、モチベーションの格差も出てくる場合があるし、途中で関わる時間的な余力がなくなったりして、さまざまな理由で、途中で脱落する方も出ます。
そうなると、抜けた分、途中から人を入れる必要も出てきたりするので、できるならば、「数週間の短期」または「3ヶ月」ないし「半年」くらいでゴールが見えるプロジェクトが望ましいわけです。
それくらいの期間で、チームで一緒に達成感を味わえるようにすることが、社内外チームの一つのポイントになるのです。
逆説的ですが、「数週間の短期」または「3ヶ月」ないし「半年」くらいで一つのゴールを設定できるようなことならば、社内外チームに向いていると考えています。(私が取り組むスポーツ分野は向いていると思います。)
5. 楽しくやり続けられること
最後の5つ目に挙げたのが、「楽しくやり続けられること」。
なんだよ「楽しく?」そんなことか。と言われそうですが、実は社内外チームづくりは、楽しくやり続けられることはとても大事な要素です。
なぜなら、本業などがある中なのに、わざわざ自分の自由裁量の時間をつかって関与する方が多いでしょうから、その時間が重たい時間になってしまうことは、健全ではないわけです。
個々のメンバーにとって、何が楽しめることなのか。やりたい方向性に向けて、合致するものなのか。
最初のチームづくりの段階で、理念やビジョンを共有し、関わる方の「自由意志」の中で関与してもらえるかどうか、自分で「選択」する余地を与えてからスタートすることが望ましいと思います。
その「楽しさ」とは、人によって異なりますし、それが関わる方にとって、金銭的な「報酬」が伴うことが求められるのか、「自己成長」がもっとも重要なものなのか。その辺りの「動機」をできるだけ把握した上でチームづくりができることが理想だと捉えています。
以上が私の考える「社内外チームのつくり方」で意識する5つのポイントでした。
どうしたらプロジェクト(チーム)に人が集まるか
そして、どうしたらプロジェクト(チーム)に関わってくれる人が集められるのか。社内外のチームをつくれるようになるのか。
それはこれしかありません。
「結果」を出し続けよう。です。
「仕事」が「仕事」を呼び、「成果」が「人」を集めていきます。自然とそうなります。関わりたい人が、会社の境界線を超えて関与したくなるような「プロジェクト」をつくることです。
それしかありません。そうじゃなければ社内外チームに入りたい人をつくれません。
だからこそ、私は、今後も「挑戦」を続けていきます。いいメンバー、楽しいメンバーと巡りあっていくことも、仕事の醍醐味の一つと捉えています。これからも、ワクワクするような「プロジェクト」をつくれるよう、張り切っていきます。