公式Twitterの運用は難しいので、まず「運用コンセプト」から定めようという話
こんにちは。佐藤奨(さとうつとむ)です。
新年が明けました。今年もよろしくお願いします。
さて、本年の一発目の記事は、Twitterの運用について。
私も運営チームとして関わる #スポピザ の公式Twitterから、こんな問いがあった。
ざっくり、#スポピザ について説明すると、数ヶ月に1度のペースで実施しているスポーツビジネス関連のイベントであり、毎回50名から70名程度を集めているトークセッション形式のイベントだ。
4回開催する中で3回がイベント中に「#スポピザ」のキーワードでTwitterのトレンド入りを果たすなど、話題性をつくれているイベントとも言えるだろう。そして、2020年のイベント実施に向け、今回、満を持して公式Twitterの開設をした。(公式Twitterを開設した理由についてはこちらのnoteに書いた)
この #スポピザ 公式アカウントは、オーガナイザーである はしこ氏が運用にチャレンジをしているのだが、この「何を発信すればいいか迷う」は、商品やサービスにおける「公式アカウント」運用の、あるあるで、これは個人に当てはめても同じではないだろうか。
投稿の内容が、何らかのアナウンスや告知ばかりでは、低知名度のTwitterでは、ほぼ反響を得られず、フォロワーも集まりにくく、反響がないからこそ、さらに「何を発信すればいいか迷う」と、負のサイクルをぐるぐるしてしまうことがあると思う。
フォロワー数がゴールじゃないケースもあると思うが、何も反響がない場合は、気持ちが折れてしまうはずだ。
今回のnoteでは、#スポピザ を例に取り、公式Twitterの運用は難しいので、まず「運用コンセプト」から定めようという話を掘り下げて行こうと思う。
「発信内容」を考える前に、まず、思うことがある。
SNS運用目的は一つの目的に定めることが難しい
SNSの運用方針を固めるのは、SNSで出せる効果が多岐に渡るため、一つの目的に定めることが実は難しい。でも方針は大事。#スポピザ ならではの方針。できればビジョンに即した運用方法とは何かを掘り下げたい。また、フォロワーの方が公式に、何を求めているか、ニーズを拾っていくことも同時に大切だ。
ビジョンに即した運用方法とは何か。 #スポピザ はどういうことをしたいのか。そのために、SNSでできることを、どう活用して運用するのか。フォロワーの方が公式に何を求めているのか。SNSを通して、どんな「不」を解消していけると良いのか。そこを、まずは掘り下げて考えられると良いと思う。
「公式」アカウントは簡単に反響を集めにくい
「個人」アカウントでも掘り下げられると良いが、低知名度のサービスの「公式」アカウントの場合、簡単に反響を集めにくいため、より掘り下げて考えられることが理想。
SNSを通し、どんな「不」を解消していけると良いのか。フォロワーが何を求めるのか。そこを踏まえまず運用コンセプトを固めるべき。
顧客の「不」を解消していけると、求められるアカウントになり、反響も集まっていくはずだ。
どんな「不」を解消できるのかを描こう
そう考えると #スポピザ の公式アカウントの「運用コンセプト」とは何か。まずビジョン。フォロワーが何を求めているか。どんな「不」を解消できるのか。どんなことが強みになるのか。これらをふまえ「運用コンセプト」をまず固めること。公式の「告知」投稿が多いか少ないかは枝葉で、本質じゃない。
ちなみに、「不」とは、「不安」「不満」「不便」「不足」など、消費者が日常で感じているネガティブな感情のことを指す。
公式の「告知」投稿が多いか少ないかは枝葉かもしれないが、もし、人気のサービス・芸能人・アーティストなら、多くのファンから、Twitterでも「アナウンス」が求めらる場合もある。この場合は、ファンが公式な情報を知りたいという「不」を解消する目的で、告知「アナウンス」に徹しても良いだろう。
(例:人気アイドルグループの、嵐のアカウントなら、CDの発売、ライブ情報だけでも相当な需要があるだろう)
以前に、読売ジャイアンツのSNSに、それやられたら敵わんよという記事も書きました。知名度があるところが、的確なSNS運用したら最強です。
#スポピザ の場合、現段階で、まだ局地的な知名度で、低知名度と捉えている。ゆえに、告知が多めの投稿だと求められにくいと判断したい。ただ、繰り返すが「運用コンセプト」の策定。ビジョン。フォロワーが何を求めているか。どんな「不」を解消できるのか。どんなことが強みになるのか。まずそこからだ。
「運用コンセプト」の策定に向けた問い
#スポピザ におけるSNSの「運用コンセプト」の策定に向けた問い。
ビジョンは何か。
→これからどういう方向に進みたい?
フォロワーが何を求めているか。
→なぜフォローしてくれているのか?
どんな「不」を解消できるのか。どんなことが強みになるのか。
→ #スポピザ ができる提供価値とは?
それぞれの視点を持つことが必要と思う。
この辺を #スポピザ のオーガナイザー はしこさん が掘り下げ、公式アカウント運用に活かして欲しいと考えている。
これに対して
#スポピザ におけるSNSの「運用コンセプト」の策定。まずはそこ。
こういう書き込みによるコメントもいただいた。
ここでは、情報の「不」足について指摘していただいている。
こうした関心を持っていただいている方から「不」を集めていく必要があるのだ。
そして、その「不」の解消に向かうこと。さらに「不」の解消に向けて、どんなことが強みになるのか。そこを固めていくことが「運用コンセプト」に繋がる。
何を発信するかよりも前に「上位概念」を固めよう
ふまえた上で出てきたのがこちら。
#スポピザ ** に関わる人のエンパワーメントが方向性**
これは 私も運営に関わる身として、非常にフィット感を感じている。
これまでは、イベントとしてこんなフレーズを用いていた。
スポーツビジネスの最前線で戦っているビジネスパーソンから”ヒント”を学ぶ場所。と。
でも、イベントのコンセプトとしては、これで良かったかもしれないが、もっと掘り下げると、それはトークイベントだけを指していて、でも #スポピザ では、交流も大事にしていた。
これは人脈(の不足)だったり情報(不足)だったり、どのような働きからがあるのか(の不安)などを解消させたい想いから。
なぜ交流もセットでやっているのか。さらに、SNSでの交流も促したいのかとか、そういうのを考えると、これまでの上位概念も必要ではないか、とも考えていた。
そして、それを、束ねる方向性として、言語化する必要があると感じていた。
スポピザ に関わる人のエンパワーメント
これは、これまでの方向性としては、しっくりくるフレーズだなと思ったし、これこそが運用のコンセプトになるだろう。
そして、さらに、コンセプトの方向性が出た。続いて・・・
との投稿。「運用コンセプト」の輪郭が、運用の方針。
これで、方向性ができたのではないか、と考えている。
こうした上位概念(コンセプトやテーマ)ができれば、ここから紐づく発信や、仕掛け、それを形にしていくための「方向性」を生み出していきやすいのではないかと思う。
「運用コンセプト」が定まれば、ならではの「価値」を探る
スポピザならでは。過去登壇者の情報参加者の動き。こんな仕事に繋がったよ。という話。何かスポーツビジネスに関わりたいと思っている方に向けた情報の提供、機会の提供。参加者のエンパワーメントに向けて、このような発信も良いだろう。
また、スポピザの空間の中で、書籍出版の声がけをもらった五勝出さんの話や、参加者が登壇していた東京ヴェルディの佐川さんとの繋がりによって仕事に繋がった話なども掘り下げてもいいだろう。
過去登壇者をエンパワーメントする意味で、登壇後の動きを追ってみるのも良いし、おすすめの本・おすすめの記事などのを聞いて、過去の参加者が参考にしてみることも良いだろう。
テーマやコンセプトが固まれば、それに即した方針をつくり、その方針に向けて、愚直に運営するのみ。この公式アカウントの運営担当であり、イベントのオーガナイザーである はしこさん には、ぜひ公式アカウントの運用を張り切ってもらいたいと思っている。
1月27日の #スポピザ ではどのような景色が見えているのか。その先の、スポピザ に関わる方々のエンパワーメント に向けて、どこまでSNS運用で近づけるのか。楽しみにしたいと思っている。
アクションプランを立てよう
ちなみに、あえて触れることでも無いが「コンセプト」は、テーマ、そして方向性であって、全体に影響を与えることであるが、向いていく方向の話である。
コンセプトを立てたら、アクションプランや、運用方針まで落とし込む必要がある。コンセプトを決めただけでは、向いていく方向だけしか決まってない状態だ。
スポピザ に関わる方々のエンパワーメントを考えたときに、Twitterを経由して、どのような情報を届けられると良いのか。コンセプトの、根幹があった上で、どのような投稿をするのか。どういう時に告知をするのか。投稿はどのくらいの量を目指すのか。と落とし込んでいくことになる。
この、どう運用するのか?というのは、コミュニケーション設計といういい方もできる。
SNSを活用して、どうコミュニケーションをするのか、そこに向けてどのようなアクションプランにするのか。そして、どのような運用方針に落とし込まれていくのか。それは、これから運用担当であり、#スポピザ のオーガナイザーである はしこ氏 の動きを待ちたいと思っている。
加えて、運用コンセプトを考えたところで、それが「成果」に繋がるとは限らない。ただ、言えることは、コンセプトから考えた運用にするということは、何も考えずに、告知やアナウンスだけを投稿するアカウントとは、異なる次元で運用することになる。
Twitterが向いていない場合もある
一方で、その商品やサービスにとって、Twitterが向いていない場合もある。運用コンセプトも決め、アクションプランも立て、それでも成果に結びつかない場合は、上述の通り、顧客の「不」をTwitterで解消することが難しいというケースもある。
この辺りは、運用する前から考えられると良いが、Twitterの場合は、はじめる段階では、無料かつ低コストにて導入が可能なので、やりながら方向性を定めても良いだろう。
#スポピザ の場合は、Twitterとの相性を強く感じるケースもあるだけに、運用コンセプトを持ち、的確なアクションプランを持って運用することで、コンセプトであるスポピザ に関わる方々のエンパワーメントに向けて、大事なツールの一つに育つ可能性があるのではないか、と考えている。