環状線季節
羊がお腹にごぼうを巻いている
暑そうだ
今朝の夢
-たんぽぽの信号
3色団子の香り-
上空へ続く階段
笛の音と整列
威勢のいいアナグマが指揮をとる
( はぐれないように
はぐれないように )
-説明会を始めます-
高速落下の際
無線申請をお願い致します-
ごぼうは外して下さい-
高速落下試験を待っている間に
3色団子はきれいに踏まれ
たんぽぽはすっかり枯れ
白い矢印が斜め前を通りすぎる
あ もう白鳥の季節か‥-
「動物園前-」
焦げたズボンの匂い
目が覚める
広告に目を向ける
「全盛期目尻展」
なんじゃそら
少し気になりなる
-1週間結局気になり続けた
ぼくはその展示に行くことにした
“環状線と人間とたんぽぽの目尻三色団子三姉妹”について
の展示だった
ぼくは胸を打たれた
上空でもごぼうでも
動物でもなんでもない
耳がちぎれそうだ
むしろむしりちぎってくれ
三色団子とたんぽぽ ズボンの焦げた匂い香りが一生分の鼻をもいだ
これからぼくの
とりあえず10年の月日を
3色団子と
たんぽぽと目尻環状線に費やすことに決めた
紅葉がひらりと落ちた
今日は春