首から上が一人だけ --秩序のない現代に(優雅に)ドロップキック--
首から上が一人だけ
首から上が一人だけ動き出す
うらめしい、胴体を無視した科学的存在
脳内快楽をひたすら求めて
条件づけされたボタンをひたすら連打する
矛盾を孕んだ専売特許の
かのもっともらしい権威的統率欲
遠浅の
かつて遠浅だったその埋め立て海浜住宅地
エスカレータで地下に潜ると
確かに潮の音
連れ立ってやってきた小さな女の子は
旧友二人を見つけて
一目散に駆けてゆく
そんな楽しそうな彼女を見失い
途方に暮れるようでいて少し冷めた頭で
彼女の行方を探す
矛盾の盾と矛
矛盾の盾と矛を
無防備に取り込んでしまうと
頭の中は戦闘状態
野営戦の原始的な応酬
沸き立った防衛心をなだめて
彼女を迎えに行かなきゃいけない
彼女は深層でかつての友達を見つけ
一目散に輪に加わる
この腕が倍の長さあったなら
わたしという彼女を
真正面から抱きしめて
悔恨と再会のよろこびを
彼女に一切伝えられるのに!
矛盾というマインドテラーを
アレルギー反応を起こすでもなく
諦めの色で装う無関心でもなく
そうなのね、と軽やかにスルーできる
ピカピカな免疫でありたい
05Apr2020
Satomis.
【理性のことば】
目が、外ばかり向いてしまうと、他人の行動はコントロールできないので、自分の意や正義に反した決定やもっともらしく語られる言葉の節々に、憤っていなければいけなくなります。世の中は矛盾と欺瞞ばかりでどうしようもない!と、ともすると嘆いている自分がいます。
そういったものから物理的な距離を置いたり、要は見聞きしなければ良いのですが、そうもいかない。ここ二日、そこで泥沼的なところに精神という愛馬の足を引きずり込まれそうになっている自分を、垣間見ました。
起き掛けの夢は、再開したはずの少女を見失うイメージを見せて、それを警告する。
ならば、それらの現実の矛盾をいかに軽やかにスルーしながら、冷たい無視ではなく必要な直視をしたうえで、手元足元で自分は何ができるかということを考えてやりおおすエネルギーに変えたい、と思った今朝でした。
矛盾に憤って心の中で自らも盾と矛を出すよりも、歌って踊ってかわして感化してやりたい。
――今日のBGMはもちろんこれ♪