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T.W Lesson 37. 集中を妨げるものにこそ、剣を取れ

Chapter 37. Go to War against Distraction
和訳:集中を妨げるものにこそ、剣を取れ

 ジョナサン・フランゼンが現在、存命のアメリカ人で最も偉大な小説家であることは、文学批評家の間でほぼ意見の一致するところです。彼の書いた『The Corrections』(邦訳:『コレクションズ』,2011)という本は数百万部が売れ、その九年後には『Freedom』(邦訳:『フリーダム』, 2012)という別の巧妙なベストセラーを世に送り出しています。

 後者の小説が世に送り出された際、レヴ・グロスマンという人が、フランゼンについてTIME誌に興味深い寄稿をしているのですが、それを読んでいたら、フランゼンはタイムウォーリアーの一人なのだと気づいたのです。(そしてそのことが彼の偉大さと関係するであろう、ということを。)
 グロスマンはフランゼンの文筆家生活を次のように描いています。

 フランツェンの仕事は朝七時に始まり、それは集中を妨げるいかなるものをも「外した」状態である。彼の仕事場は、それ専用に借りてあるもので、一台のパソコンを除いたほかには、何も置いていない。

 グロスマンは次のように書いている。

 “彼が使っているのは、重たい、旧モデルのノートパソコンで、その一台からは「ハーツ」や「ソリティア」の痕跡が微塵もなく削ぎ落されており、その徹底ぶりはオペレーティングシステムにまで至る。”
 ‟フランツェンは、インターネットにつながったコンピューターで本格小説は書けないと信じている。それでdell社のワイヤレスカードを抜き取ってしまっただけでなく、コンピューター間の通信を可能にするイーサーネットポートすらも永久に塞いでしまった。「どうやったかって言うと、」と彼が話してくれたことには、「イーサーネットケーブルに瞬間接着剤を付けて、ポートに差し込んだら、次にその【先っぽをちょん切る】んだ。」”

 果たしてわれわれは、自分自身の集中を妨げるものとの闘いにおいて、いくつの「ケーブルの先っぽ」を、【ちょん切れ】るだろうか?今日、自身の使命からあなたを押し流して遠ざける情報が氾濫する中にあって、それに抗うためのいくつの克己心を発露させることができるだろうか?
 「いのちのじかんのまもりびと」は、集中を妨げるものにこそ、剣を取るのです。


タイムウォーリアー『いのちのじかんのまもりびと』
第37章 おわり


 本マガジン「タイムウォーリアー・いのちのじかんのまもりびと」は、スティーヴ・チャンドラー著「TIME WARRIOR」の翻訳出版プロジェクトの一環として、翻訳できた章を逐次アップしている【note電子版】です。

 あなたのいのちの時間を、生まれた目的――つまり命の目的のために、ほかでもなく注げますように――祈りを込めて、訳しています。よろしければ、ご購読ください。
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 これまで、noteによる翻訳プロジェクトとして進めて参りましたが、現在、クラウドファンディングによる紙媒体・kindle媒体・およびaudible媒体発行プロジェクトを同時並行で準備しています。noteマガジンとの切り分けは、本マガジンの詳細ページをお読みください。


❤第36章と37章は、わたしの転機を祝しての、感謝と喜びの気持ちを込めて、全文公開しています。38章以降は、タイトルのみ公開で、マガジン読者の方だけが先行で読める形に致します。よろしければ、どうぞご一緒ください。


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「ちょっと変わった人」や「生きづらさを感じている人」に――「時間どろぼう」からいのちの時間を取り戻し、自分を信じて、行動してみる、大きなき…

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