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青の下剋上。
貯金2のセ・リーグ3位のチームが、貯金42のモンスターを食った。
難攻不落と思われた牙城を崩し、相手を30イニング無得点に抑えた。
普段パ・リーグの試合しか観ない私はセ・リーグについては疎く、CSが始まる時にセ・リーグ通の弟2号にDeNAについて事前情報をもらった。
弟2号曰く、「DeNAはとにかく打撃に全振りしたチーム。投手陣の層が厚い阪神との対戦は矛盾対決って言われてる」とのことだった。
CS 1stは推しチームの所属するパ・リーグを観ていたのでセ・リーグの試合は追っていなかった。
CS Finalの巨人vs横浜は観ていたのだが、毎試合痺れる投手戦で、弟2号の「打撃に全振り」とは?と首を傾げる程だった。
11月2日に予定されていた日本シリーズ第6戦は翌日に順延。
レギュラーシーズンとは違い、順延の際もチケットは持ち越しというNPBのルールは理解できるが、払い戻しやキャンセル、リセールができないという某ロー○ケの横柄さとマウント感を感じながら、試合の行方を見守ることとなった。
2回裏、筒香が有原からソロHRを放つ。
レギュラーシーズン中、「筒香がHRを放った試合は勝つ」という神話があったそうだ。
筒香がHRを打ったこの試合に勝って、このまま横浜が日本一になるのか。
筒香のホームランの後も戸柱、森敬斗がヒットで続く。
ポストシーズンで守備も打撃も躍動している桑原は、レフトへ2点タイムリーでDeNAが3点先制。
点を取った直後の3回表、大貫は三者凡退に抑える。
3回裏、押し出しの死球で1点追加。レギュラーシーズン中、ほとんど見られなかった有原の姿だった。
4-0となり、しばらくはDeNAの流れのまま続いていくのかと思った。
4回表、センター前ヒットの今宮をランナーに置いて3番柳田がセンターへの2ランホームラン。
30イニングぶりのソフトバンクの得点だった。
4回裏、ランナーを2人置いてホームランを放っている筒香に打席が回った。
ソフトバンクの投手はこの回替わった尾形。
これ以上点を与えられない場面。
筒香を三振に仕留め、大きく吠えた。
私の眼からは、まるで相手を煽るかのように、必要以上に吠えたように見えた。
いや勿論、筒香が強打者であるがゆえ、抑えることができた気持ちが爆発したのだと思うが。
尾形の吠える姿を、表情を変えることなく静かにじっと見つめる筒香。
私がこの試合でいちばん印象に残っているシーンだった。
変わらない表情が不気味にも思えたし、鋭い眼に灯が点いたようにも見えた。
5回裏、ソフトバンクの投手はスチュワート・ジュニアに替わる。
DeNAは四球とタイムリーヒットで3点を追加する。
これで試合は決まったと思った。
押せ押せムードの中、筒香が打席に入る。
2回にホームランを放った時も、尾形が吠える姿を見る時も、そして今この瞬間も、筒香の表情は変わらなかった。
この人は一体どれだけの修羅場をくぐってきたのだろう、と思った。
その刹那、筒香の振り抜いた打球がセンターへ舞った。
走者を全て本塁に帰す2塁打だった。
4回、吠えた尾形を見ながら、やはり灯がついていたのだと思う。
その灯を静かに燃やし続け放った2塁打だったように感じた。
2塁上でも筒香の表情は変わらなかった。
その後、ソフトバンクの打線が押し黙った。
レギュラーシーズン中、2桁得点も当たり前で「シートノック」と揶揄されることもあったソフトバンク打線。
その打線が、30イニング得点できず、久々の得点後も凡打と三振。そして投手の自滅と、完膚なきまで叩きのめしてくる打線。
11ー2。完璧な下剋上だった。
『筒香がホームランを打つと試合に勝つ。』
レギュラーシーズンの不敗神話は日本シリーズでも崩れなかった。
弟2号から聞いていた「打撃全振り」の情報は、日本シリーズ最終戦で、本領を見た気がする(ホークスの自滅もあるにはあるが)。
ワールドシリーズではドジャースがチャンピオンになり、
日本シリーズでは横浜が優勝した。
東都大学1部リーグではスクールカラーは違えど、スカイブルーのユニホームを纏う青山学院大が優勝している。
2024年の野球界は「青の年」となった。
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