あなたは大丈夫?40代に多い「ぶら下がり社員」。必要な人材になる方法とは
セカンドゴングのSantiagoです。
ぶら下がり社員という言葉が広まって久しいですが、組織の中堅を担う40代の社員においても、会社にぶら下がり状態の人が散見されます。
会社への依存度が高いぶら下がり社員の行く末は、窓際族やリストラなど、決して安泰ではありません。
企業で働く誰もが主体的であることは難しいですが、消極的な姿勢がいつまでも続くと、人材としての価値は薄れていくばかりです。
当記事では、ぶら下がり社員に焦点を当てて、問題点やリスク、脱却するための方法について解説します。
ぜひご自身の行動と比較してみてください。
「ぶら下がり社員」とはどのような人材なのか?
ぶら下がり社員は、会社員の中でも40代に多いとされていますが、どういった人が「ぶら下がり社員」と呼ばれてしまうのでしょうか?
まずは、ぶら下がり社員の具体的な特徴についてチェックしていきましょう。
■ぶら下がり社員の特徴
ぶら下がり社員のいちばんの特徴は、「求められた以上の仕事は決してしない」ということです。
さらに、自ら退職(転職)といった選択も行いません。
会社員は利益を生み出す対価として、企業から報酬(賃金)を受け取ることが、「本来の姿」だといえます。
企業が成長するためには、当然ながら利益を生み出すことが必要です。
ですので、会社の利益計画の達成に向けて主体的に行動するということは、組織に属する人間として当然のこと。
ところが、受け身が主体である「ぶら下がり社員」の意識は異なります。
指示された業務はそつなくこなすものの、期待以上の結果をもたらすことはありません。
「これは給料以上の仕事だ」と判断すれば、首を突っ込むことすらないでしょう。
淡々と省エネモードに努める彼らは、会社が存続する限り「ぶら下がり」続けるのです。
■ローパフォーマー・フリーライダーとの違い
組織を構成する人材比率には、「2-6-2の法則」がよく当てはまります。
2-6-2の法則とは
どのような組織でも、2割の人間が優秀な働きをし、6割の人間が普通の働きをし、2割の人間がよくない働きをするという法則(経験則)を意味する語。ビジネス書などで引用されることが多い。(weblio辞書より)
主体性を持って成果をもたらす優秀な人材が2割、平均的なパフォーマンスを見せる人材が6割、残りの2割はローパフォーマーと呼ばれる人材です。
真面目な勤務態度で従順なぶら下がり社員は、2-6-2の法則でいえば、中間層の6割にあたります。
特段、目立ったミスを犯すことがないため、「お荷物的な存在」であるローパフォーマーとは異なるのです。
ぶら下がり社員を、フリーライダー(タダ乗り社員)と混同している方もいるでしょう。
フリーライダーとは
経済学においては、公共財などに対価を支払わないで便益(都合がよく利益のあること)を享受する者を指す用語です。 要するに、「ただ乗りする人」となります。
ここでいうフリーライダーとは、企業などで仕事をあまりしていないにもかかわらず対価を受ける従業員のことです。(引用:フリーライダー社員の対策方法とは?)
しかし、他人の成果に便乗したり、横取りすることで自らの評価を保つフリーライダーとは、厳密には異なるものです。
ぶら下がり社員が組織にいることのデメリット
ぶら下がり社員は会社や職場のなかで、さまざまなデメリットや問題をもたらします。
代表例としては、以下のようなことが挙げられます。
■業績不振・企業成長の足枷となる
企業のなかで棒立ちの人が多くなってしまえば、次第に前へ進む勢いを失います。
ついには、その場に立ち止まってしまうことでしょう。
事業活動に消極的な彼らのなかには、年齢相応の「高年収」を手にしているケースも少なくありません。
かさむ人件費がビジネスの勢いを減速させてしまい、やがて倒産のリスクを高めることになるのです。
■待ちの姿勢が周囲の士気を下げる
待ちの姿勢ではなく、独創性や想像力を武器に仕事を「創る側」に回る社員こそ、企業が渇望している人材です。
ところが、ぶら下がり社員の低い意識が伝染してしまい、周囲にいる真面目な社員の士気まで下げてしまいます。
「同じ給料なんだし、自分も頑張らなくていいや」といった消極的な考え方が蔓延して、やがて組織は空中分解を招きかねません。
■管理者候補が生まれない
責任とリスクを避けるぶら下がり社員は、キャリアアップを嫌う傾向があります。
日本企業の多くは、いまだ年功序列の風土が残っているでしょう。
30代〜40代が停滞すれば、後続となる若手が行き場を失って、組織は成長することができません。
若手を引き上げれば、年下上司となってしまうため、ベテラン社員のマネジメントに苦労することになるのです。
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受け身の社員が生まれる背景とは?
組織のなかで「ぶら下がり社員」が生まれてしまう原因は、本人の性格面だけの問題ではありません。
以下のような、さまざまな時代背景が関係しています。
■就職氷河期世代である
現在の30代後半〜40代にかけては、就職氷河期を経験した世代です。
彼らの中には、さして好きでなはない職種に、やむなく就いた人も少なくありません。
その結果、仕事に対して情熱を抱くことができず、ドライな姿勢となっているのです。
■社会や自分に対する諦めの感情
ぶら下がり社員特有の思考は、先行き不透明な経済から生まれた、ネガティブな要素といえるでしょう。
・一生懸命働いたところで、給料は変わらない
・収入が増えるほど、税金も上がる
・老後の年金も、十分にもらえるか分からない
・自分には、特別な才能や資格がない
社会や自分に対する可能性を諦めた結果、もっとも傷つかないであろう、現状の「期待しない働き方」に辿り着いたのです。
■ワークライフバランスの定着
時代変化とともに、ワークライフバランスは今や当然の価値観として定着しました。
サラリーマンとして安定収入が求められる一方で、家事や育児への積極的な参加も期待されています。
仕事と家庭のバランス取りが苦手な人にとって、会社での消耗を最小限に抑えるほかないのです。
40代のぶら下がり社員はリストラ対象になることも…
近年では、業績が堅調な足どりのうちに、人員整理を行う会社が増えています。
対象となる人材は、消極的かつ、雇用コストがかかる30~40代の中堅社員です。
直接的な解雇は避けられたとしても、人事異動で窓際族に追いやられる可能性もあります。
いずれにしても、会社に「おんぶに抱っこ」の姿勢ではリスクしかありません。
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会社組織で生き残るために、自分の価値を高めよう
さまざま人材で構成される組織のなかで、自分らしさや主体性を保ちつづけることは、非常に難しいと言わざるを得ません。
失敗は許されないという重圧とともに、日々の業務に取り組みながら、自分の考えを発信することは、ある種の挑戦ともいえるでしょう。
失敗すれば責任を自分が負うわけですから、そんなリスクを冒すくらいなら、「指示されたことだけを、淡々とこなしておこう」と考えてしまう気持ちはわかります。
しかし、安易に楽な方へ逃げてしまうと、人材としての価値は下がる一方です。
会社組織で生き残っていくためには、自分を高めていくしかありません。
挑戦して、責任と成果の間で業務に打ち込むからこそ、需要のある人材になれるのです。
ぶら下がり社員にならないためには?
ぶら下がり社員は、日々の業務を楽しいとは感じていないでしょう。
会社の仕事に対して、「お金をもらうために、仕方なくやっている」という捉え方だからからこそ、自分で考えて動いたりはしないのです。
しかし、楽しみながら仕事をしている人は、仕事を「自分を活かす場所」だと考えています。
職場は「お金をもらうための場所」である以上に、「挑戦の場」であり、「正当な評価を受け取る場」でもあるのです。
ぶら下がり社員にならないためには、現状に甘んずることなく、挑戦し続ける姿勢を持ちましょう。
■主体性のある働き方をする
指示待ちの姿勢から、自ら仕事を取りに行くといった、主体性のある行動に変えることが重要です。
上司や会社からの評価され、承認欲求が満たされれば、仕事のモチベーションは格段に高まります。
そして、会社に必要とされる「能動的な人材」を目指しましょう。
続々と入社してくる若手社員を潰すのではなく、どんどんと育て上げて、自分と張り合えるような存在へ導いてあげるのです。
・同僚を羨んだり妬んだりする
・結託して会社の悪口を言う
こういった行動ではなく、ともに張り合えるライバルとなるように、周囲を巻き込んでいきましょう。
しっかりと張り合ったり、認めあうことで、日々の業務はやりがいのある仕事に変わっていきます。
気がつけば、周囲にとって必要不可欠な人材と認識されるようになっているはずです。
■自己肯定感を持つ
仕事に取り組む上での原動力となる自己肯定感は、単純に「自信に満ちている」といった、表面的な話しではありません。
ミスやうまくいかなかった時でも、「自分を受け入れることができる」という感覚が持てるかどうかです。
自己肯定感を日頃から高めるために、以下の3つを実践することをおすすめします。
・todoリスト(やることリスト)の活用
・低めの目標設定
・ネガティブワードの排除
todoリストで仕事のタスク管理を行って、自らの成果として受け入れましょう。
目標設定は、あくまで「頑張れば達成できるレベル」に留めることがポイントとなります。
日常会話から、ネガティブワードを排除することも大切です。
「でも」「だけど」といったD言葉はもちろん、
・無理かもしれない
・自分なんてどうせ…
といった後ろ向きな言葉を一切禁止としましょう。
まとめ:主体的な行動が仕事や人生を変える
今回は、ぶら下がり社員の問題点やリスク、脱却するための方法について解説しました。
ぶら下がり社員は、自らは進んで仕事をすることはありませんが、指示された内容は淡々とこなす、そして辞めないことが特徴です。
若手の進出を阻んだり、周囲の士気を下げたりと、会社に影響を及ぼす彼らの将来は安泰ではありません。
もし記事内でご紹介した内容に、自身の言動が当てはまるようであれば、厳しい局面を迎える前に、ぜひ行動を見直してみてください。
仕事に対するモチベーションや周囲からの評価、定年後の暮らしが変わってくるはずです。
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