好きな季節の前に
こんなに好きになれる人、もう二度と出会えない。
そう、思っていた私の考えを君はあっさり覆した。
あの人よりも好きにさせてくれたのではなく、
あの人よりも私を愛してくれた。
こんなに好きになってくれる人、もう二度と出会えない。
それは、とても心地よい感覚だった。
それまでの私は、ただ、愛しい人を探し続けて、
でもどうやって人を愛せば良いか分からずに、
疲れていた。
だけど君は疲れ果てた私をめいっぱいの好きで
包んでくれたんだ。
君との時間はとても楽しくて、君が見せてくれる世界にワクワクした。時間があっという間に過ぎ去り、君に会えない日は寂しくなった。君が用意してくれる私の居場所が暖かくて、私は肩の力を抜いた。
だけど、愛され続けるのは難しい。
君の愛が昨日よりも減っている気がして怖くなる。
君に甘える私がだんだんと可愛なくなって行く気がして焦る。
君のことを知るほど距離が開いていく気がして悲しくなる。
これも、代償なのだろう。
不安も苦しさも全部ひっくるめて、私の恋はもう始まっている。
あの人との思い出が詰まった喫茶店が閉店してしまったように…もう全て終わらせなくちゃいけない。
あの人との記憶を乗り越えて、
君との未来を繋げたい。
遠い先の約束はいらないから。
ひとつずつ、明日の約束を重ねて行きたい。
そうやって刹那を重ねて、
いつか振り返った時に、
これが永遠だったんだ…と。
あとから気づくような恋を、君としていきたい。
寒くなるね。
暖め合おうよ。
読んでくださるだけで嬉しいので何も求めておりません( ˘ᵕ˘ )