7.9 ジェットコースターの日
猫の背骨が弓形に反った。
ジェットコースターのレーンを思わせるその角度に人間は頭を悩ませる。
気圧の変化は人間に寝不足を生んだ。
頭痛の種は人間の目に見えない。
猫のくしゃみで吹き飛んだ粉砂糖。
舞い散った埃みたいな粒が雨雲を呼ぶ。
上がったり、下がったり、この世界の天気は気まぐれが過ぎる。
惑星の中でしか生きられない生物は、いくら権力を得ようと移り変わる天気の中で暮らしていくしかない。
このひと月、ジェットコースターに乗り続けた人間の神経は衰弱している。
ネガティヴな色をしたカーテンの先でまた気圧が下がっていく。
猫のあくびを引き金に、雨雲が細かい雨を落とし始めた。
檻の中から逃げられない生き物は、今日も甘んじてジェットコースターに乗らなければいけない。
それは強制であり、終わりなきように思えるが、ただし必ず終わるのだからこの世界で生きていくことを諦めようがないのである。
猫が後ろ足で首を掻いて、鈴の音が響いた。
終点を目指して、コースターは走り出した。
7.9 ジェットコースターの日
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