5.10 コットンの日
柔らかな白い綿で出来た服を着ると、心が生きかえる気がする。
化繊には化繊の良さがあるのだろうが、会社へ行く時に着ていることが多いこともあり、季節の変わり目には肌が拒否反応を起こすこともあって困った。
田舎道を車で走っていると、たまに弾けるように白い綿をはみ出させている綿花に出会うことがある。
たまらず溢れてしまったその感じを、私はとても愛しく思っている。
コットン生地に包まれて、土日の休みを過ごす。
自然にふるまう私のことなど、きっと会社の人たちは想像もつかないだろう。
いつも会社で飲んでいる眠気覚ましのブラック珈琲ではなく、最近自分のなかでブームになっているロイヤルミルクティーを鍋でゆっくり煮出してお気に入りのカップに注ぐ。
窓から入るまだ緩やかな日差しを浴びて、正午前に目覚めたばかりのぼんやりした顔でそれを飲む。
まったりとした甘みが空腹のただなかをゆっくり温かく埋めていく。
自分自身を再生する時間のある贅沢を、体中で味わって過ごすコットンの休日。
心にゆとりを、肌に思いやりを。