6.21 スナックの日
開いた瞬間ぼうぼぼんと
煙のように消えた
雲型スナックは元々驚きの軽さで
それもそのはず水蒸気くらいの密度だった
奴らは一目散に
排水口と換気扇の隙間から外に出て
コーンポタージュの匂いをさせながら
山の方へと急いで逃げた
開いた口が塞がらない僕は
正気を取り戻そうと
袋の内側に残った塩を指に取って舐めた
それは海の味がして
奴らは海に帰ったのだと
奴らのことを何も知らない僕でも
なぜかそう確信したのだった
こんなスナックが世の中でバカ売れだというのだから
やはりこの世界はおかしいのだと
僕も海に帰ってしまおうかと
窓の外を眺めながら
僕はぼんやりと暮れゆく一日を見送った