居間で珈琲を飲みながら本を読んでいた。
静かな午後は、また少し眠くなる。
白磁のカップに手を伸ばす。
口元で傾けると、黒茶色の水面から何やら文字の頭が見えている。
こんなデザインであっただろうか?と珈琲がこぼれないギリギリまで傾けて文字の全容を確かめる。
「決め…たら、叶…う?…ラッキー…ゾーン拡大中…?」
何のことやら、一口飲んで水平に戻したら文字は消えてしまった。
少しこぼれた珈琲が、読みかけのページに星の形の染みをつくった。
5.26 ラッキーゾーンの日
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