7.31 パラグライダー記念日
首尾は上々である。
我らは今高い崖の上にいる。
ここまで来て飛ばぬという選択肢はないだろう。
景気付けにキウイとグレープフルーツのジュースも飲んだだろう。
最悪落ちてドボンだよ。
下は湖なんだ、大丈夫さ。
怖がるな。上昇気流に乗るだけさ。
身を任せて舞い上がれよ。
要はタイミングだ。
風を読むのを忘れるなよ。
そう言って、彼は先に空へと飛び立ってしまった。
置いてけぼりの僕は、まだ空を見あげてまごつく心と戦っては汗をかいていた。
暑い夏の真っ昼間に、蝉の大合唱がうなりをあげて響く。
7.31 パラグライダー記念日
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