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9.3 ベッドの日・ホームラン記念日

寝台の上の野球大会。
ピエロ対王様軍団。
一番星のボールで試合開始。
あたりはどんどん暗くなるのに
一向に星月の明かりは出ない。
いよいよ深夜になれば
ボールだけがピカピカ光って眩しく見えず
空振り三振デッドボールのオンパレード
「そろそろ返してもらいましょうか」
うっとりするような天鵞絨のアルトが聞こえて
誰が打ったか一番星のボールはシュンシュン音を立てながら
窓から空へと飛んで行った。
きれいなホームランボールがピカピカ三つまたたくと
月やら星やら賑やかな天幕に早替わり。
ピエロと王様たちは拳をあげてボールを返せと文句を言ったが
その拳が届くわけもなく
夜空の大勢にピカピカと嘲笑われるだけなのであった。
試合は中止。
あとは大人しく葡萄酒を飲んで
くんずほぐれつ騒ぐ夜である。

9.3ベッドの日、ホームラン記念日
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