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オランダ アムステルダム 大麻博物館(Hash Marihuana & Hemp Museum)
知っている人は知っているが、オランダのアムステルダムは大麻自由の都市として有名である。420は大麻を意味する数字で、4月20日は大麻の日として世界的に認知されている。そこで4月20日にアムステルダムに訪れてみたら何か変なものが見れるのではないかと思い、去年はわざわざ4月20日に訪れてみたのだ。
まあ街を散歩した感じでは各コーヒーショップ(大麻を喫煙できる店)やヘッドショップ(大麻関連の商品を販売する店)でセールやキャンペーンが行われていたり、アングラ感のあるクラブで大麻の日を祝う文句が一言看板に書かれているぐらいで、表で変なことをしている輩は私が散歩したところでは見かけなかったので、普通に大人しくやってるならよかったと思ったりした。
それにしても、アムステルダム駅から大麻の匂いが漂っているのはさることながら、お土産屋に入ればエディブル(大麻入りクッキー)や大麻キャンディーが必ずと言っていいほど売っているのは日本人からしたら信じられない光景であった。また、大麻関連の店やその他合法ドラッグを扱う店が渋谷のコンビニの数よりあるのにはさすがの私でも驚きを通り越して引いた。これが文化の違い…か…。
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さて、そんな自由な文化の街中にHash Marihuana & Hemp Museumという大麻博物館が存在することはご存じだろうか。街中のヘッドショップの数々を見ていたらどうせロクでもない場所だろうと思うかもしれないが、ここはしっかりした展示がなされているミュージアムである。(でもちゃっかりミュージアムショップにマリファナの種とか売っている)
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この博物館は大麻のあらゆる面を網羅した展示がなされている。展示会場は2つに分かれており、一つは薬品や嗜好品としての大麻(マリファナ)についての展示、もう一つは食品や繊維,バイオプラスチックなどに利用される大麻(ヘンプ)についての展示となっている。どちらから入っても良いのだが、私は先にマリファナ棟に入った。
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受付で支払いを済ませると、音声ガイドを渡される。これは英語の音声ガイドで、展示物の傍にあるセンサーにタッチすると解説が聞ける。ほかに西洋圏の主要な言語やロシア語の音声ガイドがある。
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Hash Marihuana & Hemp Museumはアムステルダムの他にバルセロナにもあり、合計で9000点以上の大麻関連物を所有している。大麻の植物画がこんなに一堂に並べられているのはここだけかもしれない。
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下に居るおじさんはこの本の作者の植物学者のレンベルト・ドドエンス。
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展示の中には煙管や喫煙の描写がある絵がたくさん展示されているが、マリファナでなくタバコ喫煙に関するものも多くあった。
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マリファナが規制された理由は、マリファナの独特の酩酊感が危険というのが世界的な定説だが、そう単純ではないらしい。マリファナの規制には文化の衝突や科学技術の発展という要因も深くかかわっているとされている。
カウンターカルチャーのように国家の統制が立ちいかなくなる運動を抑えるため。あるいは石油化学製品の開発や販売を推し進めるために、大麻を工業資源として活用しないよう圧力を掛けるため。新薬を売るために有用な生薬へ圧力を掛けるため。アメリカだとメキシコ人や黒人(大麻喫煙が浸透していた民族)への圧力。…等々様々な説がある。
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ヘンプの展示棟に移るとさっきとは打って変わってクリーンな雰囲気になった。ここでは大麻が資源としてどれだけ有効活用できるか知ることが出来る。
大麻草の使い道は多岐に渡る。種子は食物やオイルとして。花の部分は医薬品や嗜好品として。茎は織物や紙や燃料やバイオプラスチックとして。また大麻草は土壌を汚染せず、むしろ土中の空気の循環を促し、浸食や地滑りも防ぐことが出来る。しかもあらゆる土壌で栽培が出来、雑草にも強く、成長期間も短いため、二毛作をすることもできる非常に便利で有益な作物であるという。
気のせいだろうか…なんだか大麻が世界を救う植物な気がしてきたのは…。
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とにかく大麻そのものが好きすぎて推したいというアツい想いが伝わるミュージアムであった。いつかまた訪れたい。
オランダは遠くて行くのはちょっとなあと思っている人は、このミュージアムの公式サイトでも資料を公開しているのでこれを見るだけでも結構面白いのでおすすめ。
※この記事は2023年4月20日に訪問した際の覚書きです。最新情報は公式サイト等でご確認ください。