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【映画レビュー】『ぼっち・ざ・ろっく!Re:』は、実質“STARRY編”と言える再発見の連続だった
どうも、こんにちは。kei_tenです。
今回は、劇場総集編『ぼっち・ざ・ろっく!Re:』を観てきたので紹介します。
■『ぼっち・ざ・ろっく!』とは
“ぼっちちゃん”こと後藤ひとりは会話の頭に必ず「あっ」って付けてしまう極度の人見知りで陰キャな少女。
そんな自分でも輝けそうなバンド活動に憧れギターを始めるも友達がいないため、一人で毎日6時間ギターを弾く中学生時代を過ごすことに。
上手くなったギターの演奏動画を“ギターヒーロー”としてネットに投稿したり文化祭ライブで活躍したりする妄想なんかをしていると、気づいたときにはバンドメンバーを見つけるどころか友達が一人も出来ないまま高校生になっていた……!
ひきこもり一歩手前の彼女だったがある日“結束バンド”でドラムをやっている伊地知虹夏に声をかけられたことで、そんな日常がほんの少しずつ変わっていく――
社会現象にもなったアニメですが、特に演奏シーンのエモさ、漫画では描かれていなかった文脈の再構築などが秀逸な作品。
ぼくも以前レビュー記事を書いたので、ご参考までに。
■総集編ならではの取捨選択を楽しむ
今回観てきた『ぼっち・ざ・ろっく!Re:』は、連載アニメの総集編前編となっており、初ライブまでのストーリーが再編集されています。
総集編ならではの楽しみとして「どう取捨選択されたのか?」というのがあります。
何かの要素が切り捨てられ、何かの要素がクローズアップされることで、映画としての「主題」が浮き彫りになる。
今回ぼくが感じたのは「実質“STARRY編”では?」でした。
実質“STARRY編”では?:
オープニングからドラムの虹夏ちゃんが登場していたし、姉の星歌さんや彼女が運営するライブハウス「STARRY」のシーンのウェイトが、かなり大きかったように感じました。
(特にPAさんの出番が連載アニメの時よりも多かったような印象に)
連載アニメの時は気づかなかったのですが、オーディションでの演奏で、サビのところでぼっちちゃんが覚醒したシーンでのことです。
虹夏ちゃんとリョウさんが「お?」と気づいたのはわかっていたのですが、星歌さんがサビ前のアルペジオの段階から「お?」って顔をしてるんですね。(あれ?ギターヒーローじゃね?というような)
初ライブの時も、1曲目でダメダメなときの表情と、2曲目でぼっちちゃんがエモいカッティングから始めギターソロに突入したときの表情と、何だかんだで星歌さんがぼっちちゃんの才能にいち早く気づいている。
身内といえどもプロ意識を持って欲しい、という厳しさがしっかり描かれているからこそ、再編集された(他の要素が捨てられた)構成によって、こういうところがより目に止まりやすくなっていたのだと思いました。
逆に映画ではカットされていたけど、「ぼっちちゃん=ギターヒーロー」ということに星歌さんが気づいているってこと、なんとなく伝わってくるんですよね。
そして、最後に虹夏ちゃんが「ぼっちちゃん=ギターヒーロー」ということに気づくところで映画が終わる。
この姉妹の対比(連動)が何だか心地よいですよね?
ぼくが「実質“STARRY編”では?」と感じた理由がここにあったのです。
再編集によって“あの曲”が浮き彫りに:
また、学校の階段下で喜多ちゃんと練習していた曲がオーディションで演奏した「ギターと孤独と蒼い惑星」だったり、きくりさんと路上ライブをやった曲がライブで演奏した「あのバンド」だったりと、再編集による新たな気づきもありました。
どちらもぼっちちゃんが覚醒する時の曲で、連載アニメの時は全く気づかず。
サブリミナル的に差し込まれていたことで「覚醒時のエモさ」が倍増していたのかな?という深読みを楽しめました。
新しいシーンはほぼなかったと思いますが、再編集だけでお腹いっぱいになれる、そんな映画だったと言えるでしょう。
■「極上音響」で観れて良かった
また、今回は立川のシネマ・ツーという映画館で「極上音響」で観れたのも良かったです。
例えば、ライブのシーンで「ペットボトルの水が振動するカット」が挟まれていたのですが、これってお茶の間で観ていたのとでは、臨場感が段違い。
他にも、初ライブ1曲目でグダグダだった演奏は本当に不快でしたし(苦笑)、ぼっちちゃん覚醒シーンでの演奏にも体が熱くなる感覚を肌で感じられて良い体験となりました。
次回の後編は8月9日より始まるので、学園祭ライブ編も極上音響でどっぷり楽しもうと思います。
なお、『ぼっち・ざ・ろっく!Re:』は人気がありすぎるためか、パンフレットがどこも売り切れ。
映画に行くとパンフレットを買うのが慣例となっている身としては少々残念でした。。
とはいえ、それだけ人気があるというのは良いことですね。
ではまた!kei_tenでした。
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