【マンガ紹介】『七夕の国』を読んで、読書離れを考える
どうもこんにちは。kei_tenです。
本日は岩明均さんの『七夕の国』という漫画を紹介します。
■ドラマではなく原作マンガを薦められた
こちらの作品はディズニープラスでドラマ化されて話題になっていますが、ぼくはドラマ化のタイミングで原作マンガを初めて手に取りました。
岡田斗司夫さんがYouTubeでマンガの方を推薦していたこと、そして同じタイミングで友人から同様にマンガを薦められたためです。
Netfrixやプライムビデオなど、動画配信サービスのドラマは最近そのクオリティの高さが評判になっていますが、そんな環境下でも原作マンガを薦められたところが琴線に触れました。
■不気味な画風とストーリーが織りなすSFホラー
岩明均さんは『寄生獣』で一世風靡した漫画家なので、あの寄生獣を描いた人の作品とイメージすると、期待を裏切られずに楽しむことができるでしょう。本作もご多分に漏れず、エンタメ要素がありながら独特な不気味さを堪能することができます。
冒頭は比較的ライトでコミカルな印象ですが、どんどん超えてはいけない領域に主人公をはじめ登場人物たちが踏み込んでいってしまいます。
一見、日本の閉塞的な地方田舎町と歴史を織り交ぜたサスペンス物語のようでいて、荒唐無稽なSF要素が違和感なく溶け込んでいる。
この絶妙な匙加減が、『七夕の国』を名作たらしめている要因なのかもしれませんね。
全4巻と短編なこともあり、停滞と加速を織り交ぜた展開に読む側もドライブがかかり、あっという間に読了できます。
岩明さんの画風がちょっと古い平成モノというか、諸星大二郎にも通づる独特の画風となっており、そこも味を深めている要因になっているかもしれないですね。
最近のアニメや少年マンガに慣れていると、最初は絵に抵抗感が出てしまうかもしれませんが、食わず嫌いにならず、ぜひ岩明ワールドにのめり込む体験をしてみてほしいです。
■高校3年生までマンガを読まなかった漫画家
マンガ歴7年でデビュー!?
実は岩明均さんは漫画家でありながら、高校3年生までマンガを読まずに育ったそうです。
父親が大学教授だったという環境も要因のひとつかもしれませんが、そんな生い立ちでも25歳で漫画家デビューをしています。
このときマンガ歴はたった7年。マンガに触れる期間が少なくても一流の漫画家になる人もいるんだなと、経歴を知って驚いたのを強く覚えています。
このことでふと思い浮かんだのは最近話題の「読書離れ」でした。
読書離れの背景とは?
読書離れは昔から散々言われていますが、ここ5年は加速度的に本を読まない人が増加したことが話題になっています。
ぼく自身もコロナ禍から読書の機会が減りました。
原因のひとつはリモート勤務が増えたことです。
通勤時間=読書時間だったため、純粋に読書の時間が失われてしまいました。別枠で読書習慣を作るのに、実は今でも苦戦しています。
また、もうひとつの原因がYouTubeや動画配信サービスの視聴機会が増えたことです。
これは作り手も増加し、クオリティが上がったことが要因のようにも感じますし、「Netflixのドラマ観た?」というよな周囲とのコミュニケーションも変化したように感じます。
この点で言えば「環境変化とプロダクトの発展によって、需給環境に変化が出た」というシンプルな話になるでしょう。
ぼくも大学生になるまで本を読まなかった
noteで度々本の紹介をしているぼくも、実は大学生になるまで読書習慣はありませんでした。
しかも、マンガを積極的に読むようになったのも大学生からです。小学生の時は当然読んでいましたが、中高生では特に何かマンガを集めていることはありませんでした。
そんなぼくに変化が訪れた要因は、「周囲に面白い本を紹介してくれる仲間がいたから」です。
小説は村上春樹・村上龍・よしもとばななから入りましたし、マンガでは松本大洋や諸星大二郎を教えてもらったり、人文系も鷲田清一・内田樹などは友人の紹介によって知りました。(この辺の名前が世代感があって当時の学生っぽいですね)
冒頭でもお伝えしたように、今回の『七夕の国』を知ったのも読むきっかけになったのも、YouTubeと友人のおかげです。
■キッカケさえあれば、ひとは目覚める
何をきっかけに読書に目覚めるか、それは人それぞれであり、タイミングもバラバラ。そして逆も然りでしょう。
岩明均さんは高校3年生からマンガを読み始め、『寄生獣』『七夕の国』という名作を世に送り出しました。
もしかすると、他の漫画家や小説家、映画監督やアニメ監督などでも、同じような境遇の方がいるかもしれません。
そういう可能性を感じているから、ぼくはこのように知り得た作品を(微力ながら)書き留め発信しています。
面白かった作品に触れたなら、知人友人に薦めてみるってこと、鬱陶しいと思われるかもしれませんが、やってみる価値はあると思っています。
ではまた!kei_tenでした。
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