百聞は一見に如かず--明日あなたが騙されない為に--
先日に引き続き、とある大学講義での出来事。
就職活動について、
講師Aは言った、
「今、IT業界は人手不足だから、誰でも入れるよ。」と。
講師Aは言った、
「IT業界目指すなら「プログラム内蔵方式」くらい説明できないとね。」と
学生Bは思った、
「は???何言ってんのこの人???」
学生Bとは言わずもがなわたしのことだが、
IT業界を目指し、実際IT企業に入社を決めた私からすると、
つまり、実際に就活の場を見てきた私からすると、
この講師Aの情報は、あまりにも”テキトー”に感じた。
この”テキトー”は”適当”とは違い、”いい加減”という意味で使っている。
* * *
この講義は2,3年中心のなのでこれから就活を迎える学生が多い。
そして、彼らはまだ就活市場の実態を知らないので、この講師の情報を信じてしまうだろう。
なぜ信じるかといえば、大学講師という肩書きは、それなりに企業とのコネもありそうに見えるし、社会情勢を理解していると思わせる力があるからだ。
しかし、この講師の与えた情報は私の知る限り、全く正しいものではない。
第一に「IT業界は人手不足だから誰でも入れる」件について、
確かに会社を選ばなければ入れるだろう。
だが、いわゆる有名・優良企業の倍率は依然として高く、3桁になることもざらにある。
第二に「プログラムに内蔵方式の知識が必要」の件については、
特に文系出身の学生に対し、そのような専門用語の理解を求めてくる企業は少ない。少なくとも私が受けた5社のIT企業では、その知識は必要なかった。
以上の2点から、講師Aが学生に与えた情報は全く役に立たないといえる。
さらに困ったことに、講師Aは「情報」という言葉の定義について、
「データを集積し、何らかの目的の為に加工した、役に立つもの」
と説明していた。
皮肉なことに、講師Aが最初に学生に伝えた「情報」は、「情報」ですらなかったのだ。
これを読んでいる、学生の方には、正しい情報をもって、物事を判断してほしい。
大学講師だろうと何だろうと他人の情報を鵜吞みにしてはならない。
情報は現場から仕入れるしかない。
”百聞は一見に如かず”
おしまい。