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[詩]予感

悪い予感
それは
質量を持たない空くじの輪郭
最後を見届けられない乱数

気の迷いから来るうわ言が
頭を弄り回して隊列を組む

予感は去った

荒天の予感
それは
予報外れに散らばる無数のビーズ
暗雲で遮られた届かぬ願い

起きがけの身を打ちのめした回想が
体内を駆けずり回りいつまでも居座る

予感は晴れた

空白で居られる時間に
目印を付けようとしたら
有りもしない重圧が視界を閉ざした

この後も
意外性が無い午後を過ごせて
少し前まで
翳っていた陽はまた顔を出す

難しい事はない
予感を作り出すのは
眼鏡をかけ忘れてぼやけた正気

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