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[詩]グミ
杜のドラム缶に詰め込まれた
人待ちのカラフルなグミ
ロボットが爪弾く音色は
雪の結晶を静かに溶かす便り
ボルトに合致するスパナが
廃品を組み立てるように
誰かの隙間を寸分の狂い無く埋める
ドーナツが齎す笑みは
砂糖の結晶で喉元を癒す因果律
丁寧に導き出された甘さが
欠損を満たすように
誰かの取り繕った心の障壁を宥める
いきものが示す光陰は
生命の結晶が不可視である尊さ
道理だけでは語れないさだめが
影を色濃くするように
誰かの迷ってしまった手を引く
杜のドラム缶のグミ
それは
点と点
物と者を繋ぐレモン味