[詩]着想
1枚の写真から始めたい
数年前の空と観覧車の写真から
晩秋の最後の儀礼
手を振って見上げた
高所が怖くなったのは
歳月が齎す蘇りのホワイトアウト
窮屈な一瞬に於いても
やらなくて良い事はある
丸しかあり得ない演算や
時を定められた食事や
朝に行うマラソンなど
選択の自由は日に日に増加していく
「まあ良いか」で
済ませてしまっても意外と良い
故に答えの無い詩作を選んでいる気もする
残された時間が
確実に減っていくのも確かだが
別れと向き合う為に
何を学べばいいものか
開幕と終幕の普遍たる景色の変遷を
今は知りたくない
終わりの裁量権を行使する
バツ印でも納得できるひとつの回答