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[詩]緑地公園

海沿いのグラウンド
造船所の巨大なフック
リアス式の淡い青空
子供たちが駆けた後の小波

送風音が占める車内
ラジオの電波は入らない
1時間先の地は
うっすら寒い穏やかな日曜日

空の広さに
意識が吸い込まれるようだ

布製の狭い椅子に
眠気の糸が引っ張られるようだ

所変われば
景色から寄り添って来る
丁寧に縁取れば
何気無ささえ思い出になる

太陽と雲の
気まぐれな掛け合いも

カモメとの
約束がないさよならも

深呼吸が場景と同調する


刻々と進む時間

留まる景色に人は流れ行く

案内板をなぞりながら

成長の過程を探す

曇混じりの晴れは続きそうだ

プレイボールまで20分




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