[詩]位置
落ち込む暇は無くても
落ち込む朝を覚えているせいで
落ち込み方は余暇のふりをして
隙間に土足で入ってくる
手は洗った
水は飲んだ
パンを焼いた
ネジを締めた
それでも
速度を緩めただけで
静粛な雪のように降り続ける
敵わない日は
白旗を背中に括り付けて
横たわっていよう か
与えてしまった罰の
揺らぐ核心を
文字に起こしてみよう か
微弱な進言は
何を癒すでもなく
何を奮わすでもなく
ただ滞る
それでも
語らずにいられなかったのは
朝が整合性を保っているから
真実の燃え後には
雲間の陽が差せばいい