[詩]月並みな
夢は何ひとつ叶っていないが
幸せな人生を送っている
嘲笑が波のように足を掬っても
肯定の裏に蔑みなど微塵も無い
非力な心の満ち引きでさえも
生きる為の差し色になる
辛い時はあるけれど
A7サイズのメモ用紙で足りてしまう
呼吸が浅い時はあるけれど
季節毎の空気が振戦を相殺したりもする
豪胆な心の手引き書は
あれば良いなと思うだけ
出来ないことは山ほどある
不可能の意味も知っている
正当化の醜さも心得ている
打ちのめされる晴天もある
無限のような陽炎を漂っていても
帰結するのは
生き続ける以外にはないということ
明日が今日と相反しても良いということ