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[詩]自在

頭が働かない朝
願っていたはずの朝

ミラー文字のような違和
幼子なら満点だが

台風前を想起する肌感
車内に入り込む湿り風

悉く打ち砕かれる導入文
未来は他責を拒み続けながら漂う

体温で溶けていく甘菓子
頓服薬を模すさざ波のプラセボを

次の展開を指折り待たれる者への願望
無数の矢印に撃ち抜かれたい

背中を掌で
そっと熱く追い風をイメージして

駆け込みで着る晩秋の半袖
数ヶ月間を締め括る輪郭

良い事が起こりそうな気配
ヘアゴムで丁寧に束ねて歩み行く

夜の事はまだ考えない
最後になるのは白紙の中だけだから

明るいままの景色が心拍数より多く在る

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