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[詩]NG

ひとつの嘘に纏わりつく
微小ながら
幾日にも積み重なる矛盾が
今季最大の冷え込む朝に露出する

誰が蒔いた種
もしかしたら
この手か

最善手は
寝落ちしかないのかと惑う
暖まった部屋で


たかが靴
されど苦楽を宿した靴

靴が意思持つものであれば
記憶の断片を孕む
砂だけが最期の証跡だろう

たかがスタッド
されど明暗分け兼ねないスタッド

スタッドの有無が正否であれば
記憶の悲喜を結ぶ
審判が下るまでの軌跡だろう


時の経過と
行の蓄積が
些事である可能性を微かに示す

嘘は大抵許される
生死には到底及ばないから

真は案外呆気ない
信頼を秤に掛ける錘は余りにも軽すぎるから

発芽に至らず
眠気は覚める


ええ
ただの忘れ物です
大袈裟でしょうか

朝の忙しさに正気が乱れました

何処かに保管されていますか
白と紺の使い慣れたスパイク




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