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[詩]安価だとしても

曖昧に物事を進めると
上で澄む空の青さが遠退く
大きな間違いも無く
書き順も求められない日々を過ごせば
矩形くけいの正確性を羨んだりする
濃さと薄さの境
システムは残響程度の存在
世相から紐解く己の位置は
立ち見席がやっとな距離感
伝手は無限にある言い換えで
隣同士の雰囲気をなぞり
荷主になった気分で世界中に送る
根の張り方は未だに模索中
這ひはい出る為の胆力は
普遍性だけでは身に付かない
誉れになり得る浜辺の貝殻から轟く悠久さが
見向きもされない一瞬だとしても
メモに齧り付いて諦めない
揶揄される者にでもなれたら
世の一端を担う表現者に近づける
乱立する壁はまだ高い
理性と感情を使い分けて
流雲を常に想起しながら停泊を拒む
連帯性とかけ離れた孤独な旅路
ロックを奏でていても
和音はいつか終わり字だけに終わりはない


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