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[詩]それぞれの

制御し難い気力を追い越す万能感
反作用で押し返されるのは眠気の濃淡
飢えに近い喉の渇きと
脳の疲労感が日に日にかさを増す

衣替えをした学生の通学を横目にする頃に倦怠感は仕上がり、人の道を逆走しながら床に伏す時間を探る。思い込みが加減速の限界値を振り切って霜降りる日へ只々向かう。

秋晴れの陽は引換券を持つ者にのみ降り注ぐ


平凡度を持ち上げるにしては近すぎる力点
否定語をなるべく避けることで保つ自尊心
辛いのは誰もがそうだと台本通りに嘯かれる

一生涯の脈絡をよしよしと撫でるほどの慈悲感は彼方に散っている。普通に見える人の不整合さは絶筆後に漸く気づけるだろう。

秋雨の冷たさは無差別に低体温へ誘ってゆく


ひと筋の光明があるとするなら胸の内側へ
自然と立ち上がれる意識を修復して欲しい

人でも物でも依存することに悪びれず、適当が両方の意味を持ってこその人間だと思う。

秋晴れの空気は過ごし易さの確たる指標


秋雨前線が東へ去ればスエードの靴も履ける








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